2002 Fiscal Year Annual Research Report
活性型Wnt/Wg蛋白質とその受容体Frizzledの相互作用の生化学的解析
Project/Area Number |
14034225
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柳川 伸一 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (70183978)
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Keywords | Wnt / Wingless / Casein Kinase I / Signal Transduction / Drosophila / RNAi |
Research Abstract |
Wnt/Wingless(Wg)のいわゆるCanonical Wnt/Wgシグナル伝達経路を構成する遺伝子産物の多くは、Scaffold蛋白Axin/Daxinに結合し、β-catenin//Armadillo(Arm)蛋白分解制御複合体を形成している。またWntシグナル伝達異常によるβ-cateninの過剰蓄積は、発癌にも深く関わっている。従ってβ-catenin/Arm蛋白の分解制御機構はWnt/Wgシグナル伝達の根幹をなしている。本年度は、Wnt/Wgによるアルマジロ蛋白群の分解制御にCasein kinase I(CKI)がはたすの役割の解析を主要な目的とした。 RNAi法を用いてDrosophilaのWgシグナル伝達経路におけるCKIαの機能を再検討した結果、以前の報告に反し、CKIαはWgシグナル伝達の負の制御因子である事が判明した。具体的には1)DrosophilaのS2R+細胞についてCKIαのin vitro RNAi法を行うと、著しいArm蛋白質の蓄積が生じる事、また2)Drosophilaの胚にCKIαのdsRNAを注入すると、Wg経路が活性化された事を示す、Naked cuticleの表現型を持つ胚が生じた(in vivo RNAi)。さらにこれらの胚ではWgの標的遺伝子であるEngrailedの体節における発現領域の拡張が観察された。従って、CKIαの発現を抑制するとWg経路が活性化される事が確認された。またこの結果から、CKIαがβ-catenin蛋白の分解を促進する事により、癌抑制遺伝子として機能している可能性が示された。
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Research Products
(1 results)