2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14034228
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
和田 洋 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60303806)
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Keywords | 神経冠 / Hox / レチノイン酸 / ナメクジウオ / ミスエレメント / 進化 / ホヤ / 神経管 |
Research Abstract |
神経冠細胞の起源となった細胞がホヤやナメクジウオの表皮と神経管の境界に存在した可能性が示唆されている。だとすると神経冠の進化は、全く新しい細胞タイプが生み出されたのではなく、起源細胞が移動能や前後軸に沿った位置価といった性質を新たに獲得したことであると考えられる。ここでは、前後軸に沿った位置価の獲得がどのような分子的な背景を伴って進化してきたかを明らかにすることを目指した。神経冠の前後軸に沿った位置価はHox遺伝子の発現としてコードされており、前後軸に沿った位置価の進化には、Hox遺伝子が新たな発現を神経冠で獲得したことが鍵であるといえる。そこで、この新しい発現獲得の分子機構の解析を試みた。すでにナメクジウオのHox1遺伝子の3'側には、脊椎動物に導入すると神経管と神経冠で発現を活性化するシスエレメントが含まれていることを報告している。また、この神経系での発現はロンボメア6/7境界から後方に限局されていた。そこで、この発現に関するシスエレメントを同定し、神経管と神経冠それぞれでの発現に関しての活性が分離できるのかについて検討した。 その結果、ナメクジウオHox1の3'側約2.7kbのなかには7つのレチノイン酸応答エレメントのコンセンサス配列が認められたが、5'側からの欠失、3'側からの欠失によって活性を絞り込んでいくと、一つのレチノイン酸応答エレメント(二つのレチノイン酸レセプター結合配列が5塩基のギャップを挟んでいるエレメント:DR5)で神経管と神経冠での活性が担われていることがわかった。さらに、このDR5を二つつないだものだけでも、神経管と神経冠での発現を活性化するのに十分であることもわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hiroki Oda: "A novel amphioxus cadherin that localizes to epithelial adherens junctions has an unusual domain organization with implications for chordate phylogeny"Evolution and Development. 4. 426-434 (2002)
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[Publications] 和田 洋: "エンハンサーの進化"シュプリンガー・フェアラーク(印刷中). (2003)