2002 Fiscal Year Annual Research Report
中軸骨格の部域特意的形態形成:原条における予定体節中胚葉の部域化機構
Project/Area Number |
14034238
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
青山 裕彦 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70143948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 信之 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90346487)
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Keywords | 体節中胚葉 / Hox遺伝子 / 標識追跡 / ニワトリ-ウズラキメラ / ボディプラン / 中軸骨格 / 肋骨 / 原条 |
Research Abstract |
鳥類やほ乳類の胚発生において,体節に由来する中軸骨格がどのようにして部域化,すなわち胸部にのみ肋骨を持つようになるのかを明らかにしたい.体節中胚葉が,分節する前から部域化していることはすでに報告されていたが,我々はさらに発生をさかのぼって,体節中胚葉が形成される原条期にすでにそれは部域化され始めていることを示した.これはウズラ胚より単離した原条の予定胸部中胚葉領域をニワトリ胚原条の予定腰部領域に移植すると,腰部に肋骨が形成されることから明らかになった.一方,各体節レベルを特徴づけるHox遺伝子の発現も原条において検出できた.原条の断片は異所的な移植によっても本来の発生運命に従った形態の中軸骨格を形成するが,Hox遺伝子も同様に本来の発現パターンを示すのかどうかを明らかにするため,原条を異所的に移植したニワトリウズラキメラ胚の中軸骨格におけるHoxc8の発現パターンを調べた.Hoxc8は第3胸椎および第3肋骨より尾側の胸椎や肋骨で発現が見られ腰椎では発現の見られない.キメラ胚肋骨の連続切片を作成し,抗ウズラ抗体を用いた免疫組織化学により移植片由来の細胞を同定する一方,その隣接切片でin situハイブリダイゼーションによりHoxc8の発現を検出した.その結果,ウズラ移植片由来肋骨にほぼ一致してHoxc8の発現が見られた.Hox遺伝子も,形態形成能と同様,異所的移植のような環境の変化に左右されず発現し続けることが明らかになった.骨格の形態のみならずHox遺伝子の発現を部域化の指標とすることは,例えば,原条の培養系において形態形成まで至らなくとも,体節中胚葉を部域化させる組織や因子を検索できるという点で非常に有効である.次年度は,体節中胚葉部域化のin vitro系を確立し,部域化の誘導因子を探索したい.
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