2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14034240
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大内 淑代 徳島大学, 工学部, 助教授 (00253229)
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Keywords | 網膜 / FGF10 / 眼 / in situ hybridization / 発生・分化 / ニワトリ胚 / マウス胚 / EST |
Research Abstract |
脊椎動物の網膜は、網膜前駆細胞から発生した7種類の特徴ある網膜細胞(神経節細胞、アマクリン細胞、双極細胞、ミュラーグリア細胞、水平細胞、桿体細胞、錐体細胞)が、硝子体側から強膜側に規則正しい細胞層を成した感覚器官であり、細胞分化を制御する機構、細胞の層構造が形成されるしくみを明らかにする非常によいモデル系である。本研究では、以下の2つのアプローチにより、脊椎動物の網膜発生システムにおけるFGF10の役割を解明することを目的とした。 1.ニワトリ胚神経網膜cDNAライブラリーより塩基配列の一部を既に決定した819個の既知遺伝子クラスターの内訳は、細胞機能に関わる遺伝子581個、FGF10など細胞間相互作用に関与するもの105個、遺伝子制御に関わるもの76個、未知タンパク質をコードするもの57個であった。転写調節因子と細胞間シグナル経路因子、細胞骨格タンパク質、膜タンパク質、細胞接着因子遺伝子に注目して,網膜発生分化にともなう発現パターンを明らかにした。また約800遺伝子すべてについてニワトリ3.5日胚における発現部位を解析した。現在までに、FGF10と同様な発現パターンを呈する約10個の遺伝子を同定した。 2.FGF10の網膜発生における役割についてFgf10ノックアウト(KO)マウスを用いて調べることを試みた。まず、RT-PCR法により胎齢17.5日のマウス全眼球及び網膜にFgf10が発現すること、in situ hybridization法により未分化なマウス神経芽細胞層に発現するとがわかった。次に、Fgf10 KOマウスの網膜の表現型を網膜器官培養により調べることを試みた。KOマウス、正常C57BL/6マウス、ddyマウスの器官培養を行なったところ、C57BL/6マウスの網膜は色素を持たないddyマウスに比べ、培養すると高率にロゼット形成を起こし解析を困難にすることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ohuchi, H.: "Fibroblast growth factor 10 is required for proper development of the mouse whiskers"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 302. 562-567 (2003)
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[Publications] Tao, H.: "FGF10 is a mesenchymally derived stimulator for epidermal development in the chick embryonic skin"Mechanisms of Development. 116. 39-49 (2002)