2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14034241
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
杉野 弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50211305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 邦博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (30281091)
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Keywords | アクチビン / アクチビン受容体 / 器官形成 / フォリスタチン / インスリン / 膵島β細胞 |
Research Abstract |
本研究は、アクチビンの各種アイソフォーム、I型及びII型受容体の組み合わせ、受容体細胞内領域との会合分子、アクチビン結合蛋白質分子などにより、アクチビンのシグナル伝達系が調節を受けている仕組みを分子レベルで理解することを目的とする。本年度得られた結果を要約する。 (1)アクチビンII型受容体の細胞内領域と結合するPDZ蛋白質群ARIPのアクチビンシグナル伝達における役割を解析した。ARIP2がアクチビン刺激によるCa依存的なRal/RalBP1系の活性化に伴いII型受容体のエンドサイトーシスを促進することを明らかにした。また、ARIP2のスプライシングバリアントARIPzipはアクチビンII型受容体の細胞膜へのターゲッティングに関与する知見を得ている。アクチビンのB細胞アポトーシス誘導はDok-1(rasGAP結合蛋白質)を介することを明らかにした。Dok-1は各種アポトーシス関連因子、bcl-X、p21などの発現をアクチビン刺激依存的に調節している可能性を示した。 (2)オーファン受容体として同定していたSer/Thrキナーゼ1型受容体ALK7の膵β細胞の分化における役割について検討を加えた。膵島β細胞MIN6にALK7あるいはALK4(アクチビンI型受容体)を過剰発現させ、各種アクチビンアイソフォームの反応性をCAGA-luxレポーターアッセイにより検討した。その結果、ALK7はアクチビンBの、ALK4はアクチビンAのI型受容体であることが判明した。さらに、アクチビンABはALK7及びALK4のいずれをもI型受容体として利用していることが分かった。 (3)FLRGはフォリスタチンと類似したドメイン構造を有している。ヒトFLRGはアクチビン、BMP以外に、GDF8(myostatin)及びGDF11(BMP11)の作用も強く阻害することが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakatani, M., et al.: "Genomic organization and promoter analysis of mouse follistatin-related gene(FLRG)"Mol. Cell. Endocrinol.. 189(1-2). 117-123 (2002)
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[Publications] Yamakawa, N., et al.: "The rasGAP-binding protein, Dok-1, mediates activin signaling via serine/threonine kinase receptors"EMBO J.. 21(7). 1684-1694 (2002)
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[Publications] Matzuzaki, T., et al.: "Regulation of endocytosis of activin type II receptors by a novel PDZ protein through Ral/Ral-binding protein 1-dependent pathway"J. Biol. Chem.. 277(21). 19008-19018 (2002)
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[Publications] Hashimoto, O., et al.: "cDNA cloning and expression of human activin βE subunit"Mol. Cell. Endocrinol.. 194(1-2). 119-124 (2002)
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[Publications] Arai, K.Y., et al.: "Characterization of rat follistatin-related gene(FLRG) : effects of estrous cycle stage and pregnancy on its mRNA expression in rat reproductive tissues"Biol. Reprod.. 68(1). 119-206 (2003)
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[Publications] 土田 邦博 他: "PDZドメインによる機能分子の局在制御と情報クロストーク"実験医学増刊. 20(2). 94-100 (2002)