2002 Fiscal Year Annual Research Report
左右軸形成を制御するCaronteの左側特異的発現制御機構と下流遺伝子の解析
Project/Area Number |
14034242
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
横内 裕二 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (60252227)
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Keywords | 左右軸 / Shh / Nodal / Caronte / BMP / アンタゴニスト / Danae / ニワトリ胚 |
Research Abstract |
ニワトリ胚における左右軸形成は、ノード左側の限局したShhシグナルが側板中胚葉に広がり、Nodalの発現を誘導するカスケードであるとみなすことができる。この過程において、BMPアンタゴニストであるCaronteはPAM左側で発現しBAPシグナリングを抑制することでShh-Nodalシグナリングを仲介することが明らかになっている。しかしながら、その詳しい左側特異的な発現制御機構は未だ明らかにされていない。 これまでCaronteの発現はノード左側で発現するShhによって直接制御されていると考えられたが、Shhの直接のターゲット遺伝子であるptc1の発現とCaronteの初期の発現パターンは一致しなかった。このことは、Caronteが何らかの別の因子によって制御されている可能性を示唆する。 また既知因子を用いてCaronte、の発現を制御する因子を探索したところ、BMPアンダゴニストがCaronte誘導能を持つことが明らかになった。このことはCaronteの発現誘導は何らかのBMPアンタゴニストによって制御されていることを示唆する。 この仮説に該当する遺伝子を同定するために、ニワトリ初期胚で発現するCerberus/DAN関連遺伝子を探索したところ、新規DAN関連遺伝子Danaeが同定された。本遺伝子はノードの左側でCaronteより早く発現した。また、本タンパク発現細胞をノード右側に移植すると異所性のCaronteの発現が誘導された。このことよりCarontoはDanaeによって発現制御されていることが明らかになった。
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