2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14034259
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
加藤 容子 近畿大学, 農学部, 助教授 (40278742)
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Keywords | 応用動物 / 発生分化 / バイオテクノロジー / 初期化 / 卵子 |
Research Abstract |
近年、体細胞核移植により、哺乳類においてクローン動物を作出することが可能となったが、正常な産子生産率は依然として低い。動物種によっては、非常に高率に生じる発生異常の原因は、核移植卵における遺伝子発現が異常であるため、と示され始めているが、それを克服して、正常な産子を高率に生産するには至っていない。また、体細胞が卵細胞質中で初期化される現象についても、そのメカニズムは未だ不明である。 本研究では、核移植胚の発生異常の究明ならびに、正常な産子作成を行なうための方法開発、また、体細胞核の初期化機構の解明と核移植を介さずに体細胞を初期化することを最終目的として実施した。 本年度は、主に、体細胞核移植における様々な条件設定について検討した。すなわち、(1)体細胞核移植卵の発生能に及ぼす除核の手法と成熟培養条件の検討、(2)細胞数の増加がES細胞クローン動物の作出に及ぼす影響、(3)体細胞核移植におけるレシピエント卵子からの除核時期の検討、である。 その結果、(1)ウサギ核移植において、イオノマイシンとデミコルシンを用いた化学的除核が可能であること、体外成熟卵子をレシピエント卵子として用いた時、生存胎子を得ることに成功した。 (2)クローン胚を集合して、胚盤胞期における細胞数を増加させても、作出率を向上しなかったことから、クローン胚発生能が低い原因は、細胞数の減少だけではないことが明かとなった。 (3)体細胞を融合後1時間目に卵子の染色体を除去すると、クローン胚の着床率が向上することが明かとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yin, XI., Kato, Y., Tsunoda, Y: "Effect of enucleation procedures and maturation conditions on the development of nuclear-transferred rabbit oocytes receiving male fibroblast cells"Reproduction. 124. 41-47 (2002)
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[Publications] Yabuuchi A., Kato, Y., Tsunoda, Y: "Effects of aggregation of nuclear-transferred mouse embryos developed from enucleated eggs receiving ES cells on in vitro and in vivo development"J.Rerpod.Dev.. 48. 393-397 (2002)
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[Publications] Yin, XJ., Kato, Y., Tsunoda, Y: "Effect of delayed enucleation on the developmental potential of nuclear-transferred oocytes receiving adult and fetal fibroblast cells"Zygote. 10. 217-222 (2002)