2005 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化によるスプライシングとmRNA輸送の制御機構
Project/Area Number |
14035102
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
萩原 正敏 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 教授 (10208423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 時雄 熊本大学, 理学部, 教授 (80197516)
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Keywords | 核外輸送 / Aly / REF / cellular codes / 選択的スプライシング / インシュリン / 構成的スプライシング / エキソンスキッピング / SF1-U2AF複合体 |
Research Abstract |
1)スプライシング依存的にmRNAに配置されるEJC構成蛋白Aly/REFは、mRNAの核外輸送に大きな役割を果たしていることが知られている。ところがスプライシングを必要としないintron-less遺伝子から転写されたmRNAの核外輸送にもAly/REFが必要であるという大きなジレンマが存在していた。我々はAly/REFに関して本年新しい知験を見出し、このジレンマを解決できるモデルを樹立した。 2)選択的スプライシングは組織・細胞特異的に制御されているが、その"cellular codes"の解明はin vitro実験系や培養細胞系では困難であった。我々は組織特異的選択的スプライシングをモニターできる線虫を作製し、選択的スプライシングの制御因子を網羅的に同定することに成功しつつある。 3)内分泌ホルモンによる選択的スプライシングの制御機構は、プロテインキナーゼC(PKC)アイソフォームをモデルとして解明が試みられている。PKC・・II特異的エクソンの下流にはSR蛋白の一種であるSRp40の認識配列が存在し、L6骨格筋芽細胞にインシュリンを添加するとSRp40のリン酸化が亢進する。我々が創製したClk1/4特異的阻害剤TG-003を用いて、インシュリン添加により活性化されるPI-3キナーゼがClk1/4を活性化してSRp40をリン酸化し、PKC・の選択的スプライシングを制御していることが判明した(D.Cooperらと萩原研の共同研究)。 4)構成的スプライシングにおいて、エキソンを飛ばすことなく順次連結する機構を解明するため、エキソンスキッピングを引き起こす分裂酵母変異株ods3を分離し、その原因遺伝子がSF1であることを示した。Ods1及び2はU2AFサブユニットであり、SF1-U2AF複合体によるブランチ部位の初期認識が構成的スプライシングに重要であることが判明した。
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Research Products
(4 results)