2006 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化によるスプライシングとmRNA輸送の制御機構
Project/Area Number |
14035102
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
萩原 正敏 東京医科歯科大学, 大学院疾患生命科学研究部, 教授 (10208423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 時雄 熊本大学, 理学部, 教授 (80197516)
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Keywords | 選択的スプライシング / asd-1 / 転写 / スプライシング共役系 / SRPIN340 / SRPK / エキソンスキッピング |
Research Abstract |
本特定研究によって今年度は以下の成果をあげた。 1)生体内での組織特異的あるいは発生時期依存的な選択的スプライシングの制御機構を解析するために、モデル生物である線虫を用いて、選択的スプライシングをモニターするレポーター系を開発した。この組織特異性に異常を示す突然変異体をレポーターの色を指標にワーム・ソーターを用いてスクリーニングし、実際に多数の変異体を得た。そして、表現型を指標に遺伝子のマッピングを行い、これらの原因遺伝子を同定した。そのうちの1つは新規のFox-1ファミリーRNA結合タンパク質をコードしており、asd-1と命名した。 2)HeLa核抽出液を用いて、効率の良いin vitro転写/スプライシング共役系を構築した。また、鋳型DNAに部位特異的な修飾を施すことによって転写伸長反応を任意の位置で停止させ、さらにビオチン化標識によってRNAとともに転写伸長複合体を回収することに成功した。 3)SR蛋白質の一つであるSRp75とそのリン酸化酵素SRPK2がHIV-1の産生を亢進することを見出している。このことから、細胞因子であるSR蛋白質とそのリン酸化酵素SRPKsはウイルスの増殖に必須な因子と考えられる。我々はこれらウイルスの増殖メカニズムに注目し、SRPKs特異的阻害剤としてSRPIN340を得ることに成功した。 4)複数のイントロンを持つmRNA前駆体において、エキソンをスキップすることなく、順次連結する構成的スプライシングの分子機構を解明するため、エキソンスキッピングを引き起こす分裂酵母変異株ods1〜3の解析を進めた。その結果、SF1-U2AF59-U2AF23複合体によるブランチ部位の初期認識に加えて、遺伝子の転写速度が構成的スプライシングの保証機構に重要であることを解明した。
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Research Products
(12 results)