2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14035207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 義一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40114590)
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Keywords | 分子擬態 / 翻訳終結 / 解離因子 / ペプチドアンチコドン / 終止コドン / リボソーム再生因子 / 酵母プリオン / 翻訳調節 |
Research Abstract |
タンパク質合成の終結に働く翻訳因子は、tRNAの機能や構造を擬態して作用する「分子擬態」という特性をもつと同時に、動物のPrPプリオンと同様なタンパク質の特徴をもつ、ユニークな対象である。本研究では、tRNA分子擬態の機能的な解明、tRNA分子擬態の構造的な解明、プリオン様特性の機能的な解明、ならびに、酵母プリオン伝搬機構の解明を行い、翻訳マシーンの情報発現系ネットワークにおける分子擬態とプリオン特性の役割を明らかにするために研究を実施して、以下の研究成果をえた。 解離因子の機能に関する研究 1.真核生物のII型解離因子であるeRF3の活性はC末端側にあり、N端側の約200アミノ酸ドメインは除去しても致死的ではないものの、生物種を問わず保存された機能未知な領域である。本年度は出芽酵母のeRF3遺伝子の各種改変体とこの領域との各種酵母因子との相互作用について遺伝学に解析した。その結果、この一見不要とも思われたN端領域が細胞骨格の形成に関わるSla1ならびにRing-fingerタンパク質であるItt1と相互作用して、eRF3の細胞内局在と分解に関与する事を明らかにした。 2.ペプチド解離後のリボソーム複合体は再生因子(RRF)と翻訳伸長因子EF-Gの働きにより解体・再生されるが、RRFが翻訳終結のみならず、翻訳の伸長過程でも作用すること、ならびにRF3との機能的な相互作用について詳細な変異解析を行った。 酵母プリオンに関する研究 1.酵母eRF3はSUP35遺伝子によりコードされるが、そのN末端ドメインにはプリオン性ペプチド配列がコードされ、Sup35タンパク質がプリオン化する。本年度は、昨年新規に作製した「プリオン→正常化」の変換を検出できる遺伝学的な選択系を利用して多数の宿主変異体を分離し解析した。その結果、Hsp104シャペロンがプリオン維持に決定的に重要な働きをもつこと、ならびに従来指摘される事のなかったHsp104六量体の1ateral channelがその作用部位であることを初めて明らかにした。 2.出芽酵母とは遠縁の酵母種であるKluyveromyces lactisのSup35タンパク質のC末端側領域がプリオン様の変換を示すことを見出した。詳細な解析を進めているが、従来のプリオンとは異質の「非アミロイド性プリオン」の可能性が高い。
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Research Products
(30 results)
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[Journal Article] Translation termination, the prion [PSI^+], and ribosome recycling. In : Sonenberg N, Hershey JWB, Mathews MB, eds. Translational Control in Biology and Medicine.2007
Author(s)
Ehrenberg, M., Hauryliuk V., Crist C.G., Nakamura, Y.
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Journal Title
Cold Spring Harbor pp. (New York : Cold Spring Harbor Laboratory Press)
Pages: 173-196
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[Journal Article] RNA aptamers to mammalian initiation factor 4G inhibit cap-dependent translation by blocking the formation of initiation factor complexes.2006
Author(s)
Miyakawa, S., Oguro, A., Ohtsu, T., Imataka, H., Sonenberg, N., Nakamura, Y.
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Journal Title
Description
「研究成果報告書概要(欧文)」より
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