2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14035217
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹中 章郎 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (80016146)
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Keywords | ハンマーヘッドリボザイム / マキシザイム / RNA / シュードウリジン / レトロウィルスRNA / ロイシルtRNA合成酵素 / 筋ジストロフィーRNA |
Research Abstract |
RNA分子の結晶化と構造決定の両方を迅速化にする目的で、核酸の構造的特徴と物理化学的性質を考慮した新しいスクリーニングキットを開発し、位相決定のMAD法が適用できる陽イオンとしてコバルトヘキサミンが適していることを実証し、それぞれを日本結晶学会年会で報告した。ハンマーヘッド形リボザイムを二量体化したマキシザイムについてホモ型とヘテロ型の2種類を合成し,溶液状態の構造組成を調べて活性型を安定に保つために必要なMgイオン濃度を見出し,第4回日本RNA学会年会(つくば)で発表した.ハンマーヘッド形リボザイムとマキシザイムについては,結晶化後のX線解析で位相問題を解決する方策として,U1A-RNA部分を含む配列を設計し,転写によるRNA合成にも着手した.一方,これらに結合させるU1A-proteinの精製も着実に進んでいる.tRNAは転写後にいくつかのウリジン残基をなぜシュードウリジン(Ψ)やチミジン(Τ)に変換するのか,という疑問を解くために,これらを含む核酸分子のX線解析を行った.その結果,ΨはそのO^4とN^3原子を使ってA(アデニン残基)とWatson-Crick型の対を形成するが,そのN^1原子は水分子を介した水素結合でリン酸基のコンフォネーションを固定していることを見いだした.さらに構造化学的考察から,Ψの水分子との水素結合が実際のtRNAでは構造の安定化に寄与していることを,Τへの変換はその疎水性の効果が構造の安定化に寄与していることを明らかにし,第4回日本RNA学会年会で発表した.Thermococcus kodakaraensis KOD1由来ロイシルtRNA合成酵素については発現系が完成し,蛋白質の精製段階に入った.多量発現系の構築に成功したインフルエンザ・ウィルスのNS1を精製した.Retrovirus HIVウィルスのゲノムRNA鎖の2本鎖/1本鎖変換が予想されるDIS部分について種々のオリゴヌクレオチドを合成し,結晶化条件の検討を進めている.筋ジストロフィー症の原因となるRNAの繰り返し配列を合成し結晶化を行っている.バクテリオファージが自己のDNAを注出・取り込みを行う際に,蛋白質でできた分子モータが作動する.そのモータの座金にRNAが使われている.このpRNAのX線解析に向けて転写によるRNA合成に着手した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] W.Adachi, ・・・, A.Takenaka: "Structural Composition and Crystallization of Heterodimeric Maxizyme"The 4th RNA Meeting. Abstract. 61 (2002)
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[Publications] T.Sasaki, ・・・A.Takenaka: "Structural Role of Modified Nucleotides in tRNA Based on an X-Ray Structure of Oligonucleotide Containing Pseudouridine"The 4th RNA Meeting. Abstract. 102 (2002)
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[Publications] J.Kondo, A.Takenaka: "A Neu strategy for nucleic acid Crystallization based on salting-in effect"CrSJ2002 Annual Meeting. Abstract. P3-II-21 (2002)
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[Publications] T.Sunami, A.Takenaka: "Usefulness of cobalt hexamine in crystallization of nucleic acids and in-phase determination by anomaleus scattering"CrSJ2002 Annual Meeting. Abstract. P3-II-20 (2002)