2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14035222
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
内海 利男 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50143764)
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Keywords | リボソーム / GTPaseセンター / リボソームタンパク質 / rRNA / タンパク質合成 / 翻訳伸長因子 / RNA-タンバク質相互作用 / 古細菌 |
Research Abstract |
リボソーム機能部位の一つであるGTPaseセンターは数種のリボソームタンパク質とrRNAの一部位から構成され、翻訳反応の速度制御に関わっている。平成17年度までの研究をふまえ、平成18年度は以下のような成果が得られ、報告してきた。 ・古細菌リボソームGTPaseセンターのタンパク質複合体構造解析 古細菌、P.horicoshiiのGTPaseセンターを構成する主要リボソームタンパク質Ph-PO上のPh-L12二量体結合部位を、生化学的に解析し、Ph-POのC末端側に隣り合う、3箇所のPh-L12結合部位を同定した。最もC末端側の結合部位は全ての古細菌POに存在し、古細菌リボソームは一般的に3個のL12二量体を含むことが示された。また、結晶構造解析により隣接した3個のL12結合部位を明確に示すことができた。 ・真核PO.P1-P2分子集合に、P1とP2のN末端配列が必須 P1とP2のそれぞれのN末端の10個のアミノ酸配列を相互に入れ替えたキメラ分子は二量体形成をせず、かつPO.P1-P2複合体も形成しないことを示し、P1とP2それぞれのN末端の10個のアミノ酸配列が分子集合に極めて重要であることが示された。なお、真核P1/P2の古細菌相同タンパク質L12でもホモダイマー形成にN末端のヘリックス構造が関わることが結晶構造で示された。 ・真核リボソームEサイトへの昆虫ウイルスIRESの結合によるGTPaseセンターの活性化 一部の昆虫ウイルスIRESはリボソームに直接結合し、翻訳開始因子や開始tRNA非依存的に翻訳を開始する。このIRESをリボソームに結合させ、リボソーム機能への効果を解析したところ、eEF2依存のGTPase活性が3倍に促進されることが判明した。IRESの結合部位はリボソームのEサイトと考えられ、リボソームEサイトとGTPaseセンターの密接な機能相関が示された。
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Research Products
(6 results)