2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14036101
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
森上 敦 名城大学, 農学部, 助教授 (10211608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 研三 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80164292)
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Keywords | シロイヌナズナ / メリステム / DNA修復 |
Research Abstract |
1・シロイヌナズナ形態変異株tonsoku(tsk)およびtebichi-1(teb)変異における細胞分裂制御の解析 tskおよびteb-1変異株においてはDNA切断修復およびG2/M期チェックポイント機構に関わる遺伝子群の発現量が恒常的に上昇していた。また、G2/M期にある細胞を検出するためcyclinB1::GUSを両変異株に導入したところ、いずれの変異株でもSAMとRAMの両方で、染色される細胞の数が野生型株より多くなっていた。これらの結果は、変異の影響により内在性のDNA障害を修復する能力が低下し、その結果生じた不完全なDNA複製が検出されてチェックポイント制御が働き、M期への進行が停止されたと解釈される。teb-1変異株より抽出したmRNAを用いたマイクロアレイで、M期特異的に発現する遺伝子の発現量がどれも野生型株に比して低くなっていたことは、これに符合する。 DNA複製のチェックポイント制御に関わると考えられているATMキナーゼ遺伝子もしくはATRキナーゼ遺伝子の変異株とteb-1変異株の二重変異株を作製したところ、atm変異の影響は見られなかったが、atr変異はteb-1変異に見られるcyclinB1::GUS発現細胞の数の増加を抑制した。teb-1変異によって起こるM期への進行停止はATRキナーゼ制御下にあると考えられる。 2・細胞分裂周期制御と形態形成 atr変異単独では形態異常が見られないが,atrとteb-1の二重変異株は、teb-1変異で見られた形態異常が顕著になり、針状の葉の形成や根の重度の伸長抑制が観察された。先に示したようにatr/teb-1二重変異株ではM期への進行停止は解除されているので、この結果は、細胞分裂周期の不調和以外の要素も加わり特に葉の形態異常が起こることを示すと考えられる。
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Research Products
(6 results)