2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14036101
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
森上 敦 名城大学, 農学部, 助教授 (10211608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 研三 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80164292)
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Keywords | シロイヌナズナ / メリステム / DNA修復 |
Research Abstract |
茎頂メリステムおよび根端メリステムの構造に異常が見られる帯化変異株tebichi(teb)の表現型と細胞周期チェックポイントとの関係を調べるため,tebとDNA複製チェックポイントに関わるATR(Ataxia Telangiectasia-mutated and Rad3-related)遺伝子の変異の二重変異株の解析を行い,ATRとTEBは遺伝学的な関係があることを明らかにした.teb変異株はやや細く周辺部の形が乱れた葉を持つが,tab atr二重変異株ではこの表現型が特に亢進され,棒状の葉が頻繁に生じた.そこで,teb変異株の葉の切片を観察したところ,背軸側の細胞の形態の特徴が向軸側に広がって見られたほか,葉原基のin situハイブリダイゼーションでは,背軸側遺伝子FILAMENTOUS FLOWER(FIL)が向軸側に広がって発現していることが明らかになった.これらの結果は,teb変異株における葉の形態異常の少なくとも一部は,葉の向背軸を決める遺伝子群の発現の局在性の異常によるものである事を示していると考えられる.これまで,DNA複製の進行と,発生段階における極性に関わる遺伝子発現や非対称細胞分裂との関係について得られている知見は少ないので,これらの解析から,葉の極性形成の分子機構に新たな知見をもたらすことが期待される.また,帯化変異株と向背軸形成との関わりから,メリステムの構造維持についても新たな知見が得られるのではないかと考られる
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