2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14036216
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
町田 泰則 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80175596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 宜久 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20335011)
町田 千代子 中部大学, 応用生物学部, 教授 (70314060)
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Keywords | 葉の発生分化 / 左右相称性 / ホメオボックス遺伝子 / 転写遺伝子 / 植物ホルモン |
Research Abstract |
葉は、茎頂メリステムから分化する器官であり、長軸方向にそって托葉、葉柄、葉身という3つの構造から成っている。葉身は扁平で裏表があり左右相称的な形態をしている。本研究の目的は、このような、葉の発生分化の仕組みを明らかにすることである。平成16年度は、(1)as1変異体における3種類のクラス1 knox遺伝子の機能を探るために、これらの遺伝子の変異を様々な組み合わせで導入し、表現型を観察した。その結果、これらの遺伝子は、葉の基部-先端部軸方向の成長に関わっていることがわかった。(2)AS1とAS2タンパク質の細胞内局在を、AS1-GFPとYFP-AS2融合タンパク質を用いて調べた。その結果、ともに核質と核小体にドット状に局在した。多くの場合、核小体の中では同じ領域に蛍光シグナルが見られた。これは、AS2とAS1が共局在している可能性を示す。(3)AS1とAS2と遺伝的に相互作用している遺伝子を探るために、as1とas2変異体を突然変異剤で処理して、表現型が亢進または抑圧された変異体を探索した。それぞれにおいて、亢進型と抑圧型の変異体が得られた。(4)酵母Two-hybrid systemにより、AS2と相互作用する因子として、複数の核内タンパク質が同定され、免疫沈殿法によりAP2様タンパク質とNOT3様タンパク質と相互作用することがわかった。(5)TSA(histone deacetylaseの阻害剤)の投与実験から、AS1,AS2がhistoneの脱アセチル化を介した分子的過程に関わっている可能性が考えられた。(6)AS2ファミリーは42のメンバー(AS2-like proteins : ASL1〜42)からなる。これらの遺伝子のいくつかについて欠失変異体を作製し、as2変異との関連性を検討している。as1変異体にClass 1 knox変異を重ねた多重変異体の解析から、class 1 knoxが葉の長軸方向の伸長に関わっていることが明らかになった。現在as2変異体においても同様な研究をしている。これまでの予備的な実験結果では、as1の場合とは異なる表現型が観察された。これらの研究結果は、as1,as2変異体のバックグラウンドにおけるclass 1 knoxの役割を示すと期待される。
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Research Products
(9 results)