2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14036222
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
田坂 昌生 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (90179680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相田 光宏 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (90311787)
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Keywords | シロイヌナズナ / 胚発生 / パターン形成 / 茎頂分裂組織 / 抵抗性反応 |
Research Abstract |
1)シロイヌナズナの胚頂端部の線対称性の確立にオーキシンが重要な働きをする事、オーキシンの分布を決めるPIN FORMED1 (PIN1)およびPINOID (PID)が重要である事、オーキシンにより子葉の形成に負に働くCUP-SHAPED COTYLEDON1 (CUC1)の発現を2つの子葉原基の間に限定させる事が子葉の発達に取って重要である事を既に示していた。その中でも、PIN1は線対称なパターン形成に関わる事、PIDはPIN1の働きを後期心臓型胚期から強める事を示し,これらの遺伝子の2重変異株は子葉発達が極端に悪くなり、棒状の芽生えに成る事を示していた。この線対称性や子葉の形成に関係する新規の遺伝子を捜す為に、pidを変異原処理する事で棒状の芽生えを持つpidエンハンサーを4ライン単離した。これらはその表現型からmacchibou (mab)変異株と名付けた。それぞれが独立の遺伝子の変異であり、MAB3はPIN1であった。MAB1はクローニングし、MAB4も原因遺伝子の候補を見つけた。 2)シロイヌナズナから地上部の形態が異常な新規の変異株uni-1dを単離した。この変異株は多くのロゼット葉と短い花茎を持つ。遺伝学的な解析の結果、この変異は1遺伝子座の半優性変異であった。発生過程の解析から、ヘテロ変異植物において葉脇に生じる側芽が子葉や第1葉、第2葉にも複数生じ、葉の形態異常や葉序も乱れ、頂芽優性が見られず、花成が遅れ、花茎が伸長せず、花芽分裂組織は数個の花芽を形成して発生を停止する事が判った。そして、ホモ変異植物は異常な形態の本葉を形成し、多くの側芽を形成するが花茎は形成されない。この変異の原因遺伝子は、CC-NBS-LRRの一つをコードしており、ヘテロ、ホモ変異株で抵抗性遺伝子の幾つかの転写が上昇していた。さらに、この変異株から遺伝子内復帰変異株を取り解析した結果、この変異が恒常的な活性型タンパク質の産生により生じる可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)