2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14036222
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
田坂 昌生 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (90179680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相田 光宏 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (90311787)
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Keywords | シロイヌナズナ / 胚発生 / パターン形成 / 茎頂分裂組織 / 抵抗性反応 |
Research Abstract |
1)シロイヌナズナの胚頂端部において、オーキシンの分布を決めるPIN FORMED1(PIN1)が線対称なパターン形成に関わり、PID(PINOID)はPIN1の働きを後期心臓型胚期から強める事、オーキシンにより子葉の形成に負に働くCUP-SHAPED COTYLEDON1(CUC1)の発現を2つの子葉原基の間に限定させる事が子葉の発達に取って重要である事を既に示した。そしてpin1pid2重変異株は子葉発達が極端に悪くなり、棒状の芽生えになる事を示した。さらに、線対称性や子葉の形成に関係する新規の遺伝子を捜す為に、pidを変異原処理する事で棒状の芽生えを持つpidエンハンサーmacchibou(mab)1-4を単離した。mab3はpin1のアリルあった。MAB1はピルビン酸デヒドロゲナーゼE1βサブユニットをコードしており、この変異によりATP生産が落ちる可能性が示唆され、そのために細胞増殖に影響が出て子葉の形成阻害が起こったと考えられる。一方、MAB4はNPH3ファミリーのタンパク質をコードしており、胚におけるPIN1の局在に関連する可能性が示唆された。 2)シロイヌナズナから多くのロゼット葉と短い花茎を持つ半優性のuni-1dを単離した。原因遺伝子は、CC-NBS-LRRの一つをコードしており、変異型UNIが抵抗性反応と形態形成を恒常的に活性化したと考えられる。今年は、野生株とuni1-dヘテロ株の芽生えをマイクロアレイで比較する事で、活性化あるいは抑制された多くの遺伝子を明らかにした。更に、抵抗性反応の信号伝達に関わる多数の変異株と2重変異株を作る事で、抵抗性反応と形態形成反応の関連を調べた。また、花茎の伸長が回復するサプレッサー変異を得てそれに対する解析も行った。 3)胚発生過程でSAMの形成にCUC1,CUC2遺伝子の下流候補遺伝子候補を野生型とcuc1cuc2の魚雷型胚由来のRNAを用いてマイクロアレイを行う事で多数同定した。 4)BELLRINGER(BLR)とCUC1、2、3の関係を遺伝的に調べ、雌しべの隔壁やレプルムの形成過程でこれらが強調して重要な働きをする事が明らかになった。また、CUC1の下流候補遺伝子であるLIGHT DEPENDENT SHORT HYPOCOTYLS4(LSH4)が、がくの形態形成に関与する可能性も示唆した。
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Research Products
(6 results)