2006 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の一生:細胞における成熟、移動、品質管理
Project/Area Number |
14037217
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 賢右 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (90049073)
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Keywords | 分子シャペロン / シャペロニン / GroEL / プリオン / 脱凝集 / FtsH |
Research Abstract |
タンパク質の変性・凝集を分子シャペロンがいかに制御しているのか、という課題について研究してきた。特に、in vitroで分子シャペロンによる再生・脱凝集機構に興味を抱き、 1)タンパク質の高次構造形成を援助するシャペロニンの作用機構を解析する。 2)異常蛋白質の修復を担うClpB-Hsp70システムの凝集体の脱凝集メカニズムを物理化学的な手法で明らかにする。 3)膜結合型プロテアーゼFtsHの構造と機能の相関関係を調べる ことに精力を注いだ。いずれも、他の研究グループと比べて、方法(1分子、線維観察系など)、材料(高度好熱菌など)、情報(結晶構造など)において、有利さあるいは特長がある。その結果、 1)FtsHの結晶構造解析と機能解析 膜結合型プロテアーゼFtsHは原核生物にも保存されている細胞に必須のプロテアーゼであり、細胞内では不要なタンパク質を分解することでタンパク質の品質管理を行っている。今回我々は森川グループと共同し、好熱菌由来FtsHの可溶性部分について初めて結晶構造を解析するのに成功した(Mol.Cell,2006)。結晶構造から、FtsH6量体は3つの2量体ユニットから形成されていること、ADP結合構造にopenとcloseの2種類が存在することを発見した。これらの結果を総合し、FtsHによるタンパク質分解メカニズムについて有力なモデルを提唱した。 2)シャペロニンの作用機構 これまでNMRによるタンパク質の解析では20,000Da以下ではないと解析が不可能であった。我々は名市大・加藤グループと協力し、13C-NMRを用いたアミノ酸特異的ラベル法を用いることで初めてGroELのような巨大なタンパク質についても解析が可能であることを発表した。
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Research Products
(3 results)