2004 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレス感知システムとその情報伝達機構の解析
Project/Area Number |
14037240
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河野 憲二 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 教授 (50142005)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木俣 行雄 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 助手 (60263448)
都留 秋雄 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 助手 (80273861)
|
Keywords | 小胞体ストレス / 小胞体シャペロン / BiP / Ire1 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
小胞体ストレスセンサーIre1のストレス感知機構を明らかにする目的で、酵母Ire1小胞体内腔ドメイン約500アミノ酸をN末から10アミノ酸残基ごとに欠失した50種類の変異型Ire1を作製し、そのセンサー機能をレポーター検定、抗Ire1抗体によるBiPの共免疫沈降実験、免疫沈降による2量体形成検定、などの方法により詳細に調べた。この結果、Ire1の小胞体内腔領域は、N末から領域IからVまでの5つの領域に分けられ、領域II-IVのコア領域が小胞体ストレス感知にとり非常に重要な役割を担っていることが明らかとなった。この領域はストレスを感知し、領域Vに結合している小胞体シャペロンBiPを積極的に解離し、2量体形成を促進するために必要な領域であった。小胞体シャペロンBiPは膜貫通領域に近い領域Vに特異的に結合し、小胞体ストレスを感知するとBiPはこの領域から解離する。驚いたことに、領域Vを欠失した変異型Ire1も野生型同様の小胞体ストレス感知能を持っていた。しかし領域Vを欠失した変異型Ire1をもつ酵母は、アルコールや高温など小胞体ストレス以外の刺激に対しても野生型に比べ高感度に反応してしまうことがわかった。このことから、Ire1はIre1自身がストレスを感知しBiPを解離させる能力をもつこと、またBiPが結合することにより、他のストレスに過剰反応しないようになること、すなわちIre1は、小胞体ストレス特異的なアジャスターとして機能していることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)