2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14037257
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森 正敬 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40009650)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 正人 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (60315299)
後藤 知己 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (20264286)
寺田 和豊 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (00253724)
|
Keywords | 分子シャペロン / アポトーシス / ミトコンドリア / 小胞体ストレス / ノックアウトマウス / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
動物における小胞体ストレスとアポトーシスおよび分子シャペロンによる制御を解析し、以下の結果を得た。(1)Tom34は哺乳動物のミトコンドリアタンパク質輸送にはたらくシャペロン様分子である。Tom34のノックアウトを作成したところ、ホモ体マウスは正常に出生、発育し、みかけ上の変化は見出せず、通常の条件下では必須遺伝子ではないことが明らかとなった。(2)タンパク質のミトコンドリア輸送の解析においてミトコンドリア膜上の受容体Tom20に結合する新規因子AIPを同定した。AIPはTom20に加えて前駆体タンパク質にも結合し、3者複合体を形成した。培養細胞でAIPを過剰発現させると前駆体タンパク質のミトコンドリア輸送が促進され、RNAi法でAIPを減少させると輸送が阻害された。以上の結果から、AIPは前駆体タンパク質およびTom20と相互作用することで、タンパク質のミトコンドリア輸送に働くことが示された。(3)われわれはNOによるアポトーシスがATF6の活性化および転写因子CHOPの誘導を含む、小胞体ストレス経路を介することを明らかにしてきた。一方、Hsp70-DnaJ(Hsp40)シャペロン系はNOによるアポトーシスを抑制する。このNOによる小胞体ストレスを介するアポトーシスのHsp70-DnaJシャペロン系による抑制機構を解析した。Hsp70と代表的サイトゾルDnaJであるdj1(DjB1)またはdj2(DjA1)を共発現する安定変異株を作成した。これらの株において、NOによるアポトーシスは抑制されたがCHOPの誘導には変化を認めなかった。CHOPの下流では、Baxのミトコンドリアへの移行およびシトクロムcのサイトゾルへの流出は抑制された。Hsp70-DnaJシャペロン系はBaxに直接結合することにより、その移行を阻害した。
|
-
[Publications] Terada, K.et al.: "Expression of Tom34 splicing isoforms in mouse testis and knockout of Tom34 in mice"J.Biochem.. 133. 625-631 (2003)
-
[Publications] Yano, M.et al.: "AIP is a mitochondrial import mediator that binds to both import receptor Tom20 and preproteins"J.Cell.Biol.. 163. 45-46 (2003)
-
[Publications] Gotoh, T.et al.: "Hsp70-DnaJ chaperone pair prevents nitric oxide- and CHOP-induced apoptosis by translocation of Bax to mitochondria"Cell Death Differ.. (in press). (2004)
-
[Publications] Tajiri, S.et al.: "Ischemia-induced neuronal cell death is mediated by the endoplasmic reticulum stress pathway involving CHOP"Cell Death Differ.. (in press). (2004)
-
[Publications] Lee, K-J.et al.: "Induction of molecular chaperones in carbon tetrachloride-treated rat liver : Implications in protection against liver damage"Cell Stress Chaperones. (in press). (2004)
-
[Publications] Yano, M.et al.: "Mitochondrial import receptors Tom20 and Tom22 have chaperone-like activity"J.Biol.Chem.. (in press). (2004)