2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14037257
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
寺田 和豊 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 助教授 (00253724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 知己 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 講師 (20264286)
矢野 正人 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (60315299)
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Keywords | Hsp70 / Hsp40 / 熱耐性 / 小胞体ストレス / CHOP / アポトーシス / カスパーゼ / XBP-1 |
Research Abstract |
動物個体レベルでのHsp40/DnaJホモログ群の特異性・冗長性を明らかにするため、各種Hsp40/DnaJホモログメンバーのノックアウトマウスを作成ている。本年度はHsp40/DnaJホモログメンバーのうち2型に属するDjB1ノックアウトマウスの解析を行った。DjB1は代表的なHsp40/DnaJホモログであるが、個体レベルで異常を認めなかった。しかしながら、熱耐性が部分的に失われることを細胞レベルで見出した(JB 2006)。 小胞体ストレスと病態との関連については、以下の結果を得た。 1)炎症時において、小胞体ストレス-転写因子CHOPを介する経路が、カスパーゼ11の誘導を介して、炎症の初期過程で中心的な働きをするサイトカインであるIL-1betaの活性化・分泌を制御し、炎症反応を調節する新たな経路を発見した(J Immunol 2006)。 2)神経系細胞において、神経栄養因子の欠乏や過剰な神経伝達物質刺激が小胞体ストレス--転写因子CHOP誘導性のアポトーシスを惹起する事を明らかにした。さらに、CHOP-KOマウスでは、神経幹細胞が存在する腦室下領域の拡大を認めた(FEBS Lett 2006)。以上の結果とあわせて、神経細胞では、分化過程において正しいシナプス刺激を受け、必要な栄養補給を受けられた細胞だけが生き残り、それ以外の神経細胞は小胞体ストレス--転写因子CHOP誘導性のアポトーシスにより排除されていると考えられた。 3)抗体産生細胞由来の悪性腫瘍である骨髄腫において、小胞体ストレス誘導性転写因子XBP-1の活性型発現の有無が有力な予後判定因子となることを見出した(Leuk Lymphoma 2006)。
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Research Products
(7 results)