2002 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオソームS5aサブユニットによるユビキチン様ドメイン認識の構造学的研究
Project/Area Number |
14037261
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
杤尾 豪人 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助手 (70336593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 昌宏 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (00202119)
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Keywords | 蛋白質 / 蛋白質分解 / ユビキチン |
Research Abstract |
ヒトHR23BのUbL(ubiquitin like domain)とS5aのUIM(ubiquitin interacting motif)複合体の溶液NMR測定を行い、UbL-UIM複合体の立体構造を決定した。この構造からS5a UIMはαヘリックス構造をとりUbLの疎水表面に結合していることが分かった。両者間の相互作用は主として疎水性相互作用であるが、UbL主鎖アミド水素とUIMの側鎖間の水素結合やその他側鎖間に静電的な相互作用も見られた。決定した複合体の立体構造に基づきUbLとUIM双方の点変異体を調製し、表面プラズモン共鳴を用いて両者間の親和性を定量的に見積もり、相互作用に重要な残基を同定した。 また、^1H-^15N HSQCスペクトルを用いてユビキチン-UIM滴定実験を行い、ユビキチンのUIM相互作用部位を同定したところ、UbLとユビキチンはほぼ同じ分子表面を用いてUIMと相互作用していることが分かった。UbLとユビキチンのUIM相互作用面のアミノ酸残基は、一残基を除き非常によく保存されている。保存されていない残基はヒトHR23B UbLではVal、ユビキチンではHisとなっており、この差がユビキチン-UIM相互作用がUbL-UIMより弱い理由の一つだと考えられる。また、ユビキチン-UIMの相互作用はpHに依存することを発見した。このpH依存性は上記のHisのpKaと相関があり、ユビキチン-UIM相互作用の重要な制御機構となっている可能性がある。 以上の結果を踏まえ、我々は従来のUIMのコンセンサス配列を一部改変し再定義した。
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