2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14039212
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
鳥居 祥二 神奈川大学, 工学部, 教授 (90167536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 隆正 神奈川大学, 宇宙科学研究所, 助教授 (40013718)
吉田 賢二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90260984)
田村 忠久 神奈川大学, 工学部, 助手 (90271361)
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Keywords | 宇宙線 / ニュートリノ振動 / 大気ガンマ線 / 気球実験 / 南極周回気球 / シンチファイバー / イメージインテンシファイヤ / 衛星通信 |
Research Abstract |
この研究の目的は、大気ニュートリノ振動現象の解明に必要な大気中での宇宙線伝播のシミュレーション計算に採用するハドロン相互作用モデルの検証を行なうために、大気中で発生する高エネルギーガンマ線の観測を、南極周回気球によって行なうことである。南極周回気球では、国内の観測では不可能な1ヶ月に近い長期間観測が実現できるために、フラックスの少ない高エネルギー領域での観測には不可欠である。しかし、装置の回収が不可能なために衛星リンクによる全データの転送が必要であることや、大量のバラストを搭載するために装置重量が約200kgに以下に限られるなどの制約が避けられない。このため、従来の観測装置(BETS)に用いた技術をもとに、さらに高性能化した装置を開発した。特に、トリガーシステム、イメージ・インテンシファイヤー、衛星リンクのデータ伝送システム、オートバラスト、太陽光発電システムを独自に開発、製作し、長期間にわたる真空、熱テストを経て観測装置(PPB-BETS)を完成した。 装置は、12月に南極大陸昭和基地に輸送され、現地での調整、試験運転をへて放球が試みられたが、コマンド関係の不調により気球とのカッターが放球直前に作動して、実験は失敗に終わった。幸い装置は、ダメージもなく回収されているので、原因の究明を行なって来年度に再度実験を実施できる見込みである。本研究では、装置の製作だけでなく、国内での観測データの受信システムを開発するとともに、昭和基地、イギリス、中国の基地へデータをダウンロードする国際協力体制も構築している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 鳥居祥二, 田村忠久, 吉田賢二, 山上隆正 他: "PPB-BETSの機上データ取得システム"大気球シンポジウム(平成14年度). 1. 112-115 (2003)
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[Publications] S.Torii, T.Tamura, K.Yoshida, T.Yamagami et al.: "Observations of High-Energy Electrons with the BETS Instrument and the Future Prospects"Advances in Space Research. 30, 5. 1273-1282 (2002)
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[Publications] K.Kasahara, S.Torii, T.Tamura, K.Yoshida, T.Yamagami et al.: "Atmospheric Gamma-Ray Observation with the BETS Detector for Calibrating Atmospheric Neutrino Flux Calculations"Physical Review D. 66. 052004(1)-052004(9) (2002)
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[Publications] S.Torii, T.Tamura, K.Yoshida, T.Yamagami et al.: "The CALET, Misson for the International Space Station"Nuclear Physics B (Proc. Suppl.). 113. 103-110 (2002)
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[Publications] M.Amenomori, S.Torii et al.: "Observation of Multi-TeV Diffuse Gamma Rays from the Galactic Plan with the Tibet Air Shower Array"Astrophysical Journal. 580, 2. 887-895 (2002)