2002 Fiscal Year Annual Research Report
DNA―高分子複合化デバイスを用いた遺伝子変異検出用マイクロチップの開発
Project/Area Number |
14040214
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宝田 徹 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30336010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 瑞夫 理化学研究所, バイオ工学研究室, 主任研究員 (10165657)
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Keywords | アフィニティー分離 / 遺伝子診断 / 一塩基多型 / キャピラリー電気泳動 / マイクロチップ電気泳動 |
Research Abstract |
これまでに申請者らは、一本鎖DNAを側鎖にグラフトしたポリアクリルアミド(DNAコンジュゲート)を合成し、これを分離基材に用いて遺伝子DNAの正常型と一塩基置換型をキャピラリー電気泳動で分離検出することを試みている。本研究ではこれをマイクロチップにスケール・ダウンすることを目指し、より迅速かつ簡便な遺伝子変異検出システムを開発することを目的としている。本年度は、キャピラリー電気泳動を用いて実用サンプルに適用するための基礎的な条件検討を行った。 1.長鎖サンンプルの一塩基変異検出 アフィニティーリガンドとなる短鎖DNAをキャピラリー内に固定化する方法として、壁面固定法と擬似固定法を開発している。これまで両法に適用できるサンプルDNAの鎖長は、12塩基までが限界であった。本年度は、種々のパラメータのうちで分離度の向上に最も効果的であるのが、リガンドDNAの鎖長と濃度であることを明らかにした。具体的には、リガンド鎖長を従来の12塩基から6塩基に短くすることで、より明確に分離されたフェログラムを簡便に得ることに成功した。また、リガンド担持量を従来の10倍にまで増加することにより、適用できるサンプル鎖長を12量体から60量体にまで拡大することが可能になった。 2.生体試料から抽出したDNAの一塩基変異検出 これまでに使用していたサンプルDNAは全て自動合成機によって化学合成されたものであった。本年度は、実際にヒト肺ガン組織から抽出したK-ras遺伝子をPCR法で増幅して得られたサンプルDNA(60塩基)を分離検出することに成功した。具体的には、効率的なPCR法のための諸条件検討と二本鎖から一本鎖にするための酵素分解条件の最適化を行った。最終年度は、以上の知見を元にマイクロチップへの適用を試みる予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Anada et al.: "The Separation of Oligodeoxynucleotides Having Single-base Mutation by Affinity Capillary Electrophoresis Using Oligodeoxynucleotide-polyacrylamide Conjugate"Electrophoresis. 23. 2267-2273 (2002)
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[Publications] 宝田: "DNAコンジュゲートを用いる遺伝子診断法の開発"機能材料. Vol.22,No.8. 13-21 (2002)
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[Publications] T.Anada et al.: "Oligodeoxynucleotide-Modified Capillary for Electrophoresis Separation of Single-Stranded DNAs with a Single-Base Difference"Analytical Sciences. 19. 73-77 (2003)