2002 Fiscal Year Annual Research Report
化合物半導体疑似位相整合デバイスを用いた波長変換の研究
Project/Area Number |
14041203
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 高志 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60205557)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 一郎 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (90272385)
|
Keywords | 非線形光学 / 副格子交換エピタキシー / 差周波発生 / 光パラメトリック効果 / 化合物半導体 / 擬似位相整合 / デバイス作製プロセス / 分子線エピタキシー |
Research Abstract |
1.GaAs/AlGaAs導波路作製プロセスの最適化 化学的機械研磨(CMP : chemical mechanical polishing)によるテンプレートの平坦化について検討した。各種条件の最適化をおこなった結果,パッドにSURFINを,スラリーにNaOCl (6g/l, INSEC NIB)を用いて,印加圧力60g/cm^2という極めてマイルドな条件で研磨をおこなうことにより,5nm以下の平坦化を実現することができた。CMPによって平坦化したテンプレート上で再成長をおこなうための基板処理法能についても検討し,塩酸・過酸化水素系エッチャントを用いたエッチングにより,保護酸化膜を形成することで良好な再成長が可能であることを見出した。並行して,ドメイン境界の垂直に保持した再成長を実現できる成長条件の特定にも取り組み,ドメイン境界の伝播方向がMBE再成長時のV/III比(As flux/Ga(Al)flux)と成長するAlGaAsの組成に強く依存することをあきらかとした。また,平坦化テンプレート上での再成長時に発生する段差の復活についても検討を加え,低温成長(基板温度300℃)によってこれを抑制できることをあきらかにした。 2.GaAs導波路型光パラメトリックデバイスの作製と評価 赤外域で動作する超小型光パラメトリックデバイスを念頭に置いて,QPM周期7.6μmのGaAs/AlGaAsリッジ型導波路を作製し,長さ2mmのデバイスでパラメトリック蛍光(parametric fluorescence : PF)測定をおこなった。ポンプ光源として波長1064nmのcw Nd:YAGレーザを用い,短波長側のシグナル光を検出した。ポンプ光をTM偏光でデバイスに入射したところ,結晶の対称性を反映してTE偏光のシグナルが得られた。また,デバイスの温度を変えて測定したところ,その温度係数は波長1.6μm付近で-1.3nm/K, 3μm付近で4.4nm/Kであった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] I.Shoji, T.Kondo, R.Ito: "Second-Order Susceptibilities of Various Dielectric and Semiconductor Materials"Opt. Quantum Electron.. 36. 797-833 (2002)
-
[Publications] 近藤高志: "非線形光学効果を用いた波長変換の基礎"レーザ協会誌. 27. 3-11 (2002)