2002 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域波長多重通信用希土類ドープ光ファイバ増幅器材料の開発
Project/Area Number |
14041208
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田部 勢津久 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (20222119)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 禎一 京都大学, 総合人間学部, 教授 (50111935)
|
Keywords | 光増幅器 / ガラス / 希土類 / 波長多重通信 / レーザ / 光ファイバ / ツリウム / 光励起 |
Research Abstract |
光通信において新たな波長帯域の開拓が期待されていることに伴い、C, Lバンドと同様に低損失であるS^+およびSバンド(1460〜1530nm)に注目が集まっており、この帯域の信号光を増幅する増幅器の一つとして、Tm^<3+>添加光ファイバ増幅器(TDFA)が提案されている。しかし、既に確立したEDFAの成熟度と比較すると、未だ決定的な励起方法が確立されていないのが現状である。そこで本研究では、TDFAの高性能化を目指して、Tmドープファイバ(TDF)の基礎光物性の調査と増幅利得特性の2波長励起方式依存性を明らかにすべく、2種類の励起方式(1051&1560nmおよび1410&1560nm)について、その増幅特性とその励起メカニズムを検証した。 その結果、補助励起光(1560nm)強度が0mW、即ち単一波長励起の時は、前者が、信号光波長の全波長領域において増幅利得が上回り、主励起光1051nm時の増幅利得は、補助励起光強度が5mWのとき最大値を取り、その後増幅帯域を長波長側へシフトさせながら急激に低下した。一方で、後者(主励起光1410nm)の増幅利得は、補助励起光強度が40mWになるまで増大し、その後低下した。また、増幅帯域は、補助励起光強度が40mWに至るまでわずかに長波長側へシフトしているが、40mWを越えるとそのシフトは急激に強くなった。 2種類のTm^<3+>の励起方式について、その増幅特性とその励起メカニズムを検証した結果、主励起光濠長の違いによりTm^<3+>の励起プロセスが異なることが示された。高効率な増幅とより低損失な領域(S-バンド)での増幅性能を考えると、主励起光としては、1410nm励起が有利であることがわかった。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Setsuhisa Tanabe: "Rare Earth DoPed Glasses for Fiber Amplifiers in Broad-band Telecommunication"Competes Rendus Chimie. 5. 1-11 (2003)
-
[Publications] 田部 勢津久: "波長多重通信用光増幅器における4f電子遷移確率の制御と広帯域発光材料の開発"希土類. 41. 1-10 (2002)
-
[Publications] 玉岡 剛: "Tm^<3+>-Ln^<3+>(Ho^<3+>, Tb^<3+>, Eu^<3+>)共ドープテルライトガラスのエネルギー移動による発光特性変化"日本セラミックス協会学術論文誌. 110[6]. 583-586 (2002)
-
[Publications] 玉岡 剛: "Tm^<3+>ドープテルライトガラスの通信波長帯域における発光特性の濃度依存性"日本セラミックス協会学術論文誌. 110[4]. 325-328 (2002)
-
[Publications] Setsuhisa Tanabe: "Improved Fluorescence of Tm-Ho and Tm-Ho-Eu Codoped Transparent PbF_2 Glass Ceramics for S-Band Amplifier"Journal of American Ceramic Society. 85[4]. 839-843 (2002)
-
[Publications] Setsuhisa Tanabe: "Fluorescence properties of Er^<3+> ions in glass ceramics containing LaF_3 nanocrystals"Optical Materials. 19[3]. 343-349 (2002)
-
[Publications] 田部 勢津久: "「セラミックス工学ハンドブック」応用編第7編電気・電子・磁性材料"日本セラミックス協会編, 技報堂出版, 共著. 1634 (2002)