2002 Fiscal Year Annual Research Report
大気中ダイオキシン類関連化合物の植物葉への沈着機構の解明と大気長期計測法の開発
Project/Area Number |
14042102
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今任 稔彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50117066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 陽一 福岡県保健環境研究所, 管理部・計測技術課, 専門研究員
大石 興弘 福岡県保健環境研究所, 環境科学部・大気課, 専門研究員
宗 伸明 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90336008)
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Keywords | ダイオキシン類 / フライアッシュ / 植物葉 / 沈着機構 |
Research Abstract |
本研究は、大気中のダイオキシン類関連化合物の植物葉への沈着機構の解明を目的として、植物葉に代わるモデル表面を用い、大気中あるいはフライアッシュや土壌粒子からのダイオキシンの移行量、移行したダイオキシン類のパターンを検討した。得られた成果は下記の通りである。 (1)植物葉に代わるモデル表面の探索 樹木葉あるいは野菜葉として、ペトリ皿内壁をヘキサンに溶解したミネラルオイルで塗布したものと、ウレタンフォームディスク、及びオクタデシルシリル化シリカゲル粒子をテフロン膜で挟んだ(ODS)ディスクの3種類を選択した。 (2)モデル表面への大気中ダイオキシン類の沈着 上記3種類のモデル表面を野外に2週間放置し、代理表面に移行したダイオキシン類をガスクロマトグラフ質量分析法により測定した結果、ダイオキシン類の塩素置換基数による分布は、4-5塩素化のものが多く、7-8塩素化のものが少ない、いわゆるガス状分布と同じであった。また、ミネラルオイル膜へのダイオキシン類の沈着速度を算出したところ、4塩素化ダイオキシン類の沈着速度が、8塩素化ダイオキシン類のそれの約50倍大きいことが分かった。 (3)土壌からのダイオキシン類の移行 ODSディスク上にフライアッシュあるいは汚染土壌を直接および1cmのエアギャップを設けて3週間接触させ、このディスクに移行したダイオキシン類を測定した。その結果、エアギャップを設けた場合には有意の量の移行はなかったが、直接接触させた場合には、フライアッシュの3-15%のダイオキシンが移行し、ダイオキシンのパターンはフライアッシュと同様であった。土壌粒子を接触させた場合は、4塩素化ダイオキシン類の移行が顕著であり、除草剤で汚染された土壌中に特有の1,2,4,6,8-ペンタクロロダイオキシンが最も多く移行していることが分かった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Soh, H.Nishiyama, K.Mishima, T.Imato, T.Masadome, Y.Asano, Y.Kurokawa, H.Tabei, S.Okunishi: "Spectrophotometric determination of carp vitellogenin using a sequential injection analysis technique equipped with a jet ring cell"Talanta. 58. 1123-1130 (2002)
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[Publications] Y.Kurokawa, K.Tobiishi, T.Matsueda, M.Nakamura, K.Sakuragi, N.Soh, T.Imato: "Uptake of atmospheric dioxins by plant leaves"Proceeding of the International Workshop on Effects of Dioxins on Agriculture, Forestry and Fisheries and their Mechanisms of Action on Animals and Fishes. 424-427 (2002)