2002 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌攪乱物質が卵黄の特定部位に蓄積した受精卵から発生したウズラの異常 -エストロゲン受容体への結合と新たなバイオマーカーによる評価
Project/Area Number |
14042224
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
森 誠 静岡大学, 農学部, 教授 (90143411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹浪 知宏 静岡大学, 農学部, 助手 (80322139)
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Keywords | ウズラ / 内分泌撹乱化学物質 / レセプター / 肝臓 / ZP1 / エストロゲン / PCR / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究ではウズラのERαのリガンド結合領域を大腸菌に発現させ、このタンパクに対する結合親和性を、天然エストロゲンとしてエストラジオール-17β、合成エストロゲンとしてヂエチルスチルベストロールとエチニルエストラジオール、内分泌撹乱化学物質としてp-ノニルフェノールとビスフェノールA、天然植物エストロゲンとしてゲニスタインとクーメステロールで調べた。大腸菌の可溶性分画を用いて結合アッセイを行ったところ、この分画には、エストラジオールと特異的に結合する物質が発現していることがわかった。エストラジオールに対する結合の強さをスカッチャード分析により解析したところ、解離定数が2.0±0.9 x 10-10Mのレセプターが存在することがわかった。さらに、各種被験物質に対する結合の強さを分析するために、可溶性分画を[3H]エストラジオールとインキュベーションする際、種々の濃度の非標識エストラジオール、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール、p-ノニルフェノール、ビスフェノールA、ゲニスタインまたはクーメストロールを添加して競合アッセイを行った。その結果、ジエチルスチルベストロールおよびエチニルエストラジオールを加えた場合には、エストラジオールとほぼ同様な直線が得られ、これらの合成エストロゲンはエストラジオールと同程度の結合親和性でERαに結合することがわかった。一方、内分泌撹乱化学物質であるp-ノニルフェノールとビスフェノールAのERαに対する結合は非常に弱く、エストラジオールの1/1000〜1/10000以下であることがわかった。天然植物エストロゲンであるゲニスタインおよびクーメストロールのERαに対する結合はその中間で、内分泌撹乱化学物質の10〜100倍、エストラジオールの1/100程度であることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 森 誠: "受精における卵黄膜の役割"日本家禽学会誌. 39(J2). J121-J129 (2002)
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[Publications] Tomohiro Sasanami: "Secretion of Egg Envelope Protein ZPC after C-Terminal Proteolytic Processing in Quail Granulosa Cells"European Journal of Biochemistry. 269(8). 2223-2231 (2002)
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[Publications] Tomohiro Sasanami: "Asparagine-Linked Oligosaccarides Independent Secretion of Egg Envelope Glycoprotein ZPC of the Japanese Quail (Coturnix japonica)"Comparative Biochemistry and Physiology. 134. 631-638 (2003)
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[Publications] Tomohiro Sasanami: "Expression of Perivitelline Membrane Glycoprotein ZP1 in the Liver of Japanese Quail after in vivo Treatment with Diethylstillbestrol"J.Steroid Biochemistry & Molecular Biology. 134(印刷中). (2003)
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[Publications] Tomohiro Sasanami: "Effect of Follicle-Stimulating Hormone on ZPC Protein Secretion by Quail Granulosa-Layer"Animal Science Journal. 74(印刷中). (2003)
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[Publications] Tomohiro Sasanami: "Carboxy-Terminal Proteolytic Processing at a Consensus Furin Cleavage Site is a Prerequisite Event for Quail ZPC Secretion"Biology of Reproduction. 68(印刷中). (2003)