2003 Fiscal Year Annual Research Report
二次発生的同族体も含めた内分泌撹乱物質の新しい識別・評価・除去法の創製
Project/Area Number |
14042232
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
細矢 憲 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (00209248)
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Keywords | ビスフェノールA / 内分泌擬乱物質 / 分子鋳型 / 高速液体クロマトグラフイー / 分子認識媒体 / 同族体 / 塩素化 / 環境浄化 |
Research Abstract |
二次発生的同族体も含めた内分泌撹乱物質の新しい識別・評価・除去法の創製を目的として,モデルとしてビスフェノールAを対象物資として下記項目に関する検討を行った, 1)ビスフェノールAの高速液体クロマトグラフィーにおける分析条件について詳細に検討を行った。 2)ビスフェノールAの選択的認識のための分子認識媒体の調製を行った。 3)塩素化されたビスフェノールAの認識について,その分子認識媒体の検討を行った。 4)來雑物質の影響を抑えるための手法について検討を行った。 5)環境内での有機物質の分解挙動について検討を行った。 これらの検討により、下記に列記する成果を得た。 ・ビスフェノールAの環境中での濃度は極めて低く,このため,前濃縮をともなう分析方法では,使用する水の精製が極めて重要であり,分析環境からの暴露も含めて慎重に対応しないと,濃度評価を誤る要因が多いことを明らかにし,その対応方法を示唆した。 ・ビスフェノールAの認識に関して,疑似的な鋳型を用いる分子インプリント法が有効であることを示し,塩素化された同族体に関しても,メチル基を疑似置換基とする疑似鋳型物質での対応が可能であることを明らかにした。 ・來雑物質の影響を抑えるために,分子鋳型表面をイオン性の高分子で被覆する方法を開発し,このことにより検出限界を1ppt程度の極微濃度までにすることに成功した。 ・環境内では,難分解性の有機物質も比較的容易に分解されることが明らかとなり,このことによる分解除去方法の開発の方向性が示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 細矢 憲 他: "Reducing bisphehol A contamination from analytical procedures to determine ultralow levels in environmental samples using automated HPLC microanalysis."Analytical Chemistry. 76. 105-109 (2004)
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[Publications] 細矢 憲 他: "Improved Detectability with a Polymer-based Trapping Device in Rapid HPLC Analysis for Ultra-Low Levels of Bisphenol A (BPA) in Environmental Samples"Analytical Soiences. 20. 133-137 (2004)
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[Publications] 細矢 憲 他: "A Polymer-Based Adsorption Medium Prepared Using Fragment Imprinting Technique for Homologues of Chlorinated Bisphenol A Produced in Environment."Journal of Chromatography A. 1029. 37-41 (2004)
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[Publications] 細矢 憲 他: "Novel Surface Modification Techniques for Polymer-Based separation Media : Stimulus-Responsive Phenomena Based on Double Polymeric Selectors."Journal of Chromatography A. 1030. 237-246 (2004)
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[Publications] 細矢 憲 他: "Determination of Bisphenol A in Environmental Water at 1 ng/L Level by HPLC with an Effective On-Line Pretreatment Device."Journal of Chromatography A. 1032. 45-49 (2004)
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[Publications] 細矢 憲 他: "Recognition of hepatotoxic homologues of microcystin using a combination of selective adsorption media."Journal of Separation Science. (印刷中). (2004)