2002 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン類の暴露に対する予防および排泄促進に関する研究
Project/Area Number |
14042235
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 慶一 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (90068247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 剛 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (50303988)
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Keywords | ダイオキシン / 代謝 / 吸収阻害 |
Research Abstract |
ダイオキシン類によるヒトへの健康障害の防止や事故等による大量暴露した際の根本的な治療法の確立を目指して、本研究ではダイオキシン類の消化管吸収阻害および排泄を促進する化学物質の検索を試みた。まずダイオキシンの体内動態を確認するためにddY雄性マウスに^3H-TCDDを腹腔内投与し経時的に糞、尿、及び各臓器を回収した。その結果、^3H-TCDDは、投与後1日目から主に脂肪と肝臓に蓄積し始め、投与4〜8日目でその蓄積がほぼ一定となった。また血中^3H-TCDD濃度は、投与後すぐに減少し始め、Day8以降で血中濃度がほぼ一定となった。本結果から、投与後の^3H-TCDD臓器への分布は1週間程度で安定すると判断し、次に^3H-TCDD投与1週間後から各化合物で処理を開始することにした。Compound AはTCDDの組織からの溶出を、Compound BはTCDDの腸肝循環を阻止し、糞中排泄を促進する効果を期待して用いた。各化合物の排泄促進効果を検討したところ、Compound Bでは糞中排泄を促進する効果が認められた。一方、尿中排泄についてはCompound B投与群では全く排泄促進効果が認められなかったが、Compound A投与群では投与後1日目から排泄促進効果が認められた。また脂肪組織における^3H-TCDDの残存量は各投与群とも減少傾向が認められたが、肝臓においてはCompound B投与群においてはほとんど減少傾向が認められなかったのに対し、Compound A投与群においては顕著な減少傾向がみとめられ、尿中^3H-TCDD排泄量を反映した結果となった。今後は、各化合物によって排泄されたTCDDがどのような形で排泄されているかを検討する予定である。
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