2002 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインチップによる内分泌撹乱物質のリスクアセスメント法の開発
Project/Area Number |
14042249
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村田 正治 九州大学, 工学研究院, 文部科学教官助手 (30304744)
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Keywords | 内分泌撹乱物質 / バイオセンサ / 核内レセプター / 電気科学計測 / プロテインチップ |
Research Abstract |
バクテリア発現系によって、ヒトエストロゲンレセプターリガンド結合ドメイン(hER-LBD)をヒスチジンタグとの融合タンパク質として大量発現させた。これを末端チオール化ニトリロトリ酢酸(NTA)誘導体と金属イオンを介して結合、さらに金-チオール間の化学吸着現象を利用することによって、hER-LBD三元複合体を金ディスク電極表面上へ固定化した。 リガンドとの結合実験はサイクリックボルタンメトリーによって行った。hER-LBD固定化電極を測定溶液に浸積し、これに所定の濃度の内分泌撹乱物質(ビスフェノールA、ノニルフェノール、ジブチルフタレート)を加えて電気化学的応答を観察したところ、添加濃度に応じてピーク電流値が大きく減少した。この現象はhER-LBDを固定化していない電極では全く観察されなかったことから、ピーク電流値の減少は電極表面上におけるレセプター-リガンド間の特異的な相互作用によるものと示唆された。各化学物質の添加濃度とピーク電流の減少量との関係をプロットした結果、得られた検量線はいずれの場合も線形応答が得られており、その検出感度はRI標識リガンドを用いた競合アッセイ法に匹敵した。ERはリガンドとの結合によって、その立体構造を変化させホモ二量体を形成することが知られている。本検出系では、このコンホメーション変化にともなって大きく変化したタンパク質の表面物性を、マーカーイオンの透過性に基づく電気化学的応答によって捉えたものと考えられる。本バイオセンサの測定時間は約5分と極めて高速であり、その検出感度も従来法に匹敵したことから、内分泌撹乱物質に対する新しいスクリーニングシステムとして有効である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Murata: "A high-throughput screening assay of endocrine-disrupting chemicals using a receptor-modified Au-electrode"The Analyst. (印刷中).
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[Publications] 村田正治: "レセプター固定化センサによる内分泌撹乱物質の高速センシング"資源環境対策. (印刷中).
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[Publications] M.Murata: "Thermo Responsive DNA/Polymer Conjugate for Intelligent Antisense Strategy"Chemistry Letters. 23(3). 266-267 (2003)
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[Publications] T.Anada: "Functional regulation of biomolecule using DNA-conjugation"Nucleic Acids Symp. Ser.. 2. 269-270 (2002)
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[Publications] N.Soh: "Affinity Precipitation Separation of DNA Binding Protein Using Block Conjugate Composed of Poly(N-isopropylacrylamide) Grafted Double-stranded DNA and Double-stranded DNA Containing a Target Sequence"Analytical Sciences. 18. 1295-1299 (2002)