2002 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌撹乱物質による(抗)甲状腺ホルモン様作用の検討と評価法の確立
Project/Area Number |
14042254
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
岡部 とし子 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (20152564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堺 温哉 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20303555)
鹿島 勇治 横浜市立大学, 医学部, 助手 (50233705)
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Keywords | 甲状腺ホルモン / 甲状腺ホルモン受容体 / 内分泌攪乱物質 / レポーターアッセイ / 4-1BB / DNAマイクロアレー / ELISA / 難燃剤 |
Research Abstract |
昨年度、我々は内分泌攪乱物質による甲状腺ホルモン様作用を評価するための新規バイオマーカーを探索する目的で、甲状腺ホルモン(T3)のシグナルを伝達することが可能な甲状腺ホルモン受容体高発現細胞株(HeLaTR)を作成した。HeLaTR細胞においてT3添加により発現が上昇または減少する遺伝子をDNAマイクロアレーにより検討した結果、T3により発現が著しく上昇する遺伝子として4-1BB, PSG7,fmfcを見出した。また、BMP6は発現が著しく減少する遺伝子であることを明らかにした。 今年度は上記遺伝子の発現をRT-PCR法により確認した。また、甲状腺ホルモンレスポンスエレメントを有するルシフェラーゼ遺伝子(TRE-Luc)をレポーターとしたアッセイ系においてT3によるルシフェラーゼ活性化をさらに増加する(甲状腺ホルモン様作用を有する)内分泌攪乱物質の場合はT3による上記遺伝子の発現の増減をさらに大きくすること、またルシフェラーゼ活化を減少させる(抗甲状腺ホルモン様作用を有する)物質の場合には上記遺伝子の発現の増減を少なくすることをRT-PCR法により示した。上記遺伝子の発現についてはそれぞれの抗体を利用したELISA法によっても同様の結果を得ることができ、上記遺伝子の発現を利用して内分泌攪乱物質による(抗)甲状腺ホルモン様作用を検討することが可能であることを明らかにした。 さらに現在、甲状腺ホルモンに類似の構造を有する有機臭素化化合物で、広く使用されている難燃剤及びそれらが分解することにより生じると考えられる化合物について、TRE-Lucを用いたレポーターアッセイ系へ添加し、甲状腺ホルモン受容体を介した甲状腺ホルモン様作用を検討している。
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