2002 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン感受性の動物種差が生じる機構の解明と種差を反映するアッセイ法の開発
Project/Area Number |
14042258
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
八木 孝司 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (80182301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川西 優喜 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (70332963)
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Keywords | 環境ホルモン / 内分泌撹乱物質 / アリルハイドロカーボン受容体 / ダイオキシン / レポーターアッセイ / リスク評価 |
Research Abstract |
ダイオキシンや多環芳香族炭化水素類のヒトや種々の動物細胞への作用を簡便に比較するため、種々の齧歯類動物のAhRおよびArntをクローニングしてヒトのものと構造を比較し、さらにそれらの遺伝子の活性化を測定できる酵母レポーターアッセイ系を構築することを目指した。 ゴールデンハムスター、モルモットの肺組織よりRNAを抽出しRT-PCR法によってAhrおよびArnt cDNAを増幅し、その塩基配列を決定した。cDNAからわかったアミノ酸配列によれば、ヒト、マウス、ゴールデンハムスター、モルモットのAhrは互いに、中央よりN末側で非常に相同性が高く、C末側で相同性が低かった。ゴールデンハムスターAhrのQ-rich領域にはくり返し構造があり、Q-rich領域が他の種に比べて約2.2倍長くなっていた。クローン化したArnt cDNAからわかったアミノ酸配列は、4種間で相同性が高かった。 ヒトおよびマウスAhrとArntとを発現し、ダイオキシンや多環芳香族炭化水素類を検出できる酵母アッセイ系を樹立した。11番染色体にマウスAhr/Arnt遺伝子またはヒトAhr/Arnt遺伝子を持つ酵母を用いて、種々の芳香族多環炭化水素(β-ナフトフラボン、2,3,7,8-テトラクロロジベンゾダイオキシン、ベンゾピレン、インディルピン、3-メチルコラントレン)のAhr/Arnt系活性化を測定・比較した。いずれの物質による活性化も定常レベルの500〜900倍となり、かつヒトの方がマウスより数倍強いことがわかった。Ahr/Arntを11番染色体と3番染色体とに導入された酵母の間では活性化にほとんど違いがなかった。ArntのQ-rich領域を欠失させると活性化が約1/100に落ちた。インディルビンによる活性化はヒトとマウスとの間で大きく異なった。
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Research Products
(1 results)