2002 Fiscal Year Annual Research Report
イソカルコゲナゾールの合成ならびに反応性に関する研究
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14044006
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
滝川 雄治 岩手大学, 工学部, 教授 (00003848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 重信 岩手大学, 工学部, 助手 (90271840)
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Keywords | イソカルコゲナゾール / イソテルラゾールTe-オキシド / 複素環化合物 / ビス(N,M-ジメチルカルバモイル)ジカルコゲニド / [4+2]環化付加 / オキシム |
Research Abstract |
複素環化合物は医薬,農薬、香料等として幅広い利用がなされており,多くの研究者が取り組んでいる分野である。本研究では報告例が極めて少ないイソカルコゲナゾール(Ch : Se、Te)の合成とその反応性、特にヘテロジエンとしての有用性を検討したもので、比較的安定なビス(N,N-ジメチルカルバモイル)ジカルコゲニド1をカルコゲン化試剤に用いるところに特徴がある。 まずDMF中、-50℃でジテルリド1(Ch=Te)とNaBH_4を処理後、プロピノン誘導体を作用させたところ、相当するN,N-ジメチルカルバモイル3-オキソプロペニルテルリド2が好収率で生成した。引き続き2にNH_2OSO_3H(4.4eq)を加え,メタノール還流下で処理したところ、イソテルラゾール3は痕跡程度であったが,相当するTe-オキシド体4が好収率で得られた。4は、CHCl_3中、100℃(オートクレーブ中)でPh_3Pを作用させたところ、高収率でイソテルラゾール3に変換できた。 3-メチル-5-フェニルイソテルラゾール3aと5当量のDMADをベンゼン中、0℃で6時間反応させたところ、85%の収率でジメチル2-メチル-4-フェニル-5,6-ピリジンジカルボキシレート5aが得られた。同様に、3aとメチルプロピオレート(還流下、10時間)およびメチル3-フェニルプロピオレート(120℃、12時間)との反応では、相当するピリジン誘導体5b,5cがそれぞれ80,28%の収率で得られ、後者の場合、70%の基質が回収された。一方3-メチル-5-フェニルイソテルラゾールTe-オキシド4aとDMADとの反応(室温、24時間)の場合もピリジン5aが77%の収率で得られた。これらの反応は、3aまたは4aとアセチレンとの[4+2]環化付加、引き続く速やかな単体TeまたはTeOの脱離を伴い、ピリジン誘導体5が生成したものと推定される。なおベンゼン中、4aとフェニルアセチレンとの反応(還流下、5時間)では75%の収率でイソテルラゾール3aが生成した。
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