2003 Fiscal Year Annual Research Report
イソカルコゲナゾールの合成ならびに反応性に関する研究
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14044006
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
滝川 雄治 岩手大学, 工学部, 教授 (00003848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 重信 岩手大学, 工学部, 助手 (90271840)
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Keywords | 5員複素環化合物 / イソセレナゾール / イソテルラゾール / 環状環化付加反応 / 6H-オキサカルコゲナジン / 1,3-カルコゲナザ-1,3-ブタジエン / 3H-1,2,4-ジチアゾール / 3H-1,2,4-ジセレナジン |
Research Abstract |
複素環化合物、特に窒素やカルコゲン原子を含む5員複素環化合物は、医薬、農薬、香料等として幅広い利用が成されている分野である。本研究では、二つの方法で5員環状化合物の合成並びにその反応性を検討した。 1.イソカルコゲナゾールの合成とそのジエンとしての有用性 イソカルコゲナゾールの合成に当っては、1)プロピノン誘導体1に対しビス(N,N-ジメチルカルバモイル)ジカルコゲニド2/H^-を作用させ、生成するビニルカルコゲニド3に、引き続きNH_2OSO_3Hを作用させる方法、2)1をオキシム化後、2/H^-で処理する二つの方法で検討した。1)の方法では、3が好収率で生成し、引き続くNH_2OSO_3Hの処理では、テルル体からはイソテルラゾールTe-オキシドを、セレン体からはイソセレナゾールN-オキシドが生成し、これらはPh_3Pの処理で収率良く相当するイソカルコゲナゾールに変換できた。2)の方法は、セレン体のみに有効で、相当するイソセレナゾールを得た。得られたイソテルラゾール並びにそのTe-オキシド体は、DMADと室温程度の条件で、[4+2]環化付加物を生成後、速やかなTeまたはTe-0の脱離を経て、ピリジン誘導体を好収率で生成した。 2.6H-1,3,5-オキサチアジンからの窒素および硫黄原子を持つ5員環ヘテロ環状化合物への新規な変換 6H-1,3,5-オキサチアジンと単体硫黄のトルエン還流下の反応では、相当する3H-1,2,4-ジチアゾール4を、単体セレンとの反応では、3H-1,2,4-チアセレナゾールを、また単体テルルとの反応では、4を好収率で与えた。一方、6H-1,3,5-オキサセレナジンと単体硫黄との反応では、5H-1,2,4-チアセレナジンを、単体セレンとの反応では3H-1,2,4-ジセレナジンを好収率で与えた。これらの反応は初期に生成する1,3-カルコゲナザ-1,3-ブタジエンと単体カルコゲンの反応で進行すると推定された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Shimada, Islam MD.Rafiqul, M.Sato, S.Aoyagi, Y.Takikawa: "Novel generation and ring closure of 1,3-thiaza-1,3-butadiene S-oxides through cycloreversion of 6H-1,3,5-oxathiazine S-oxides"Tetrahedron Letters. 44. 2517-2519 (2003)
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[Publications] Islam MD.Rafiqul, K.Shimada, S.Aoyagi, Y.Takikawa, C.Kabuto: "Novel Conversion of 6H-1,3,5-Ooxathiazine S-oxides into 5-Membered Heterocyclic Compounds"Heteroatom Chemistry. 15・(2). 175-186 (2004)
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[Publications] Islam MD.Rafiqul, K.Shimada, S.Aoyagi, Y.Fujisawa, Y.Takikawa: "Novel Conversion of 6H-1,3,5-Ooxathiazine S-oxides into 3H-1,2,4-dithiazoles by Lawesson's"Heteroatom Chemistry. (in press). (2004)