2002 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族縮合型ヘテロ環化合物の新規一般合成法の開発と活用
Project/Area Number |
14044007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂本 尚夫 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00006347)
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Keywords | インダゾール / アルカロイド / ヒドラゾン / パラジウム / アミノ化反応 / LiHMDS / nigellicin / nigellidine |
Research Abstract |
インダゾール類は重要なファルマコフオアとして注目を集めている骨格であるが,合成研究に関する報告例はそれほど多くない.インダゾール骨格を持つ天然物としてはNigella sativa Linn.からnigellicinおよびnigellidineが単離されている.これら二つの化合物は,インダゾール骨格を持つ稀なアルカロイドであり,その生理活性作用と構造活性相関にも興味が持たれる.そこで,これらの天然物および誘導体の合成を可能にする反応を開発することを前提として,パラジウム触媒アミノ化反応をヒドラゾンに適用することによるインダゾール類の効率的合成法の開発を目的とした. まず,2'-bromoacetophenoneから合成したヒドラゾンのE体およびZ体のそれぞれについて分子内アミノ化反応の条件を配位子と塩基を中心に検討を行った.その結果,どちらの基質に対しても"Pd_2(dba)_3,P(2-Tol)_3,LiHMDS"という反応条件において,収率良く反応が進行することが分かり,特にZ体を用いた場合により良い反応性が得られることも明らかとなった.ヒドラゾンのα位の置換基がメチル基以外のアルキル基や芳香環を持つZ体のヒドラゾンに対しても本反応は有効であり,種々の3位置換インダゾールが合成可能であることを示すことができた.さらに,芳香環上に電子供与性あるいは求引性の置換基が共存している場合にも,収率は低下する場合もあるが,目的とする3位置換インダゾールを得ることができた.また,得られたインダゾール類の脱トシル化反応も,穏和な条件下行えることが明らかとなっており,1,3-二置換インダゾール誘導体合成の可能性も示すことができた.現在,本反応を用いて2種の天然物の合成について検討を行っている.
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[Publications] Kou Hiroya: "Efficient Construction of Indole Rings from 2-Ethynylaniline Derivatives Catalyzed by Copper(II) Salts and Its Application to the Tandem Cyclization Reactions"Tetrahedron Letters. 43.7. 9697-9710 (2002)
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[Publications] Kou Hiroya: "Synthesis of Betulin Derivatives and Their Protective Effects against the Cytotoxicity of Cadmium"Bioorganic & Medicinal Chemistry. 10.10. 3229-3236 (2002)
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[Publications] Masanobu Uchiyama: "Generation of Functionalized Asymmetric Benzynes with TMP-Zincates. Effects of Ligands on Selectivity and Reactivity of Zincates"Journal of American Chemical Society. 124.29. 8514-8515 (2002)