2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14044008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
根東 義則 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90162122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 好幸 東北大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (70333797)
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Keywords | パラシクロファン / ヘテロ環 / 不斉合成 / パラジウム触媒 / 光学分割 / 生理活性 / エナンチオマー / 閉環反応 |
Research Abstract |
パラシクロファンは側鎖メチレンを介在して2つの芳香環が重なりあったユニークな環状化合物であり、その高いひずみにも関わらず安定な化合物である。パラシクロファンのベンゼン環をヘテロ環に置き換えたヘテロ環パラシクロファンは、その特異な立体的な環境を活用し新たな不斉反応の開発が期待されるが、その合成法が未開拓なものが多く、機能分子の設計のためにはまず新たなパラシクロファンの合成法の開拓が求められている。まずパラシクロファンを出発とした双環性のヘテロ環パラシクロファンの合成を検討した。これは、医薬品の母核として重要な双環ヘテロ環化合物のベンゼン環部をパラシクロファンとするもので、その立体化学と生理活性との関わりにも興味が持たれる。ベンゾフラノパラシクロファンはヒドロキショード体にSonogashira反応を利用して合成した。また、クマリノファンはFujiwaraらにより最近開発された、プロピオール酸類への芳香環の新しいパラジウム触媒付加反応を用いることとし、アミノあるいはヒドロキシパラシクロファンと置換プロピオール酸との縮合の後、パラジウム触媒により閉環を行った。これらのヘテロ環パラシクロファンはラセミで合成を行なったが、出発とする置換パラシクロファンを光学活性なものを用いればヘテロ環パラシクロファンのエナンチオマーを得ることができる。そこで、ホルミルパラシクロファンを用いて光学分割し、それぞれのエナンチオマーに分離し、ヒドロキシ体への変換反応を行なった。今後さらに光学的に純粋なパラシクロファンを原料にヘテロ環パラシクロファンの合成および機能の検討を行う。また固相合成法の開発に関しても検討を行っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Yamazaki, Y.Nakamura, Y.Kondo: "Palladium-catalyzed tandem C, N-arylation of immobilized enamine for solid phase indole synthesis"J.Chem.Soc.Perkin Trans.1. 2137-2138 (2002)
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[Publications] K.Yamazaki, Y.Kondo: "Palladium-Catalyzed Synthesis of Indole-3-carboxylates on a Solid Polymer Support"J.Comb.Chem.. 4(3). 191-192 (2002)
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[Publications] K.Yamazaki, Y.Kondo: "Immobilized a-diazophosphonoacetate as a versatile key precursor for palladium catalyzed indole synthesis on a polymer support"Chem Commun.. 210-211 (2002)
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[Publications] Y.Kondo: "Selective metalation and solid phase organometallic chemistry"Yakugaku Zasshi. 122(11). 919-927 (2002)
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[Publications] Y.Kondo: "Solid phase synthesis of organometallic and aromatic heterocyclic compounds"Yuki Gosei Kagaku Kyoukaishi. 60(5). 486-487 (2002)
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[Publications] Y.Tanaka, A.Toyozawa, Y.Kondo: "Physicochemical analysis of nucleobase-metal interactions"Nucleic Acids Research Supplement 2. 187-188 (2002)