2002 Fiscal Year Annual Research Report
高周期14族元素不飽和環状化合物の合成法の開発と構造および反応性
Project/Area Number |
14044015
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関口 章 筑波大学, 化学系, 教授 (90143164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一戸 雅聡 筑波大学, 化学系, 講師 (90271858)
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Keywords | 高周期14族元素 / 有機ケイ素化合物 / 有機ゲルマニウム化合物 / 高周期14族元素多重結合 / 不飽和小員環化合物 |
Research Abstract |
申請者らはケイ素、ゲルマニウムからなる不飽和小員環化合物の構造、反応性を検討し、高歪み3員環内に金属-金属二重結合が組み込まれたことに起因した特異な反応性を示すことを明らかにしている。本研究ではケイ素、ゲルマニウム等の高周期14族元素からなる不飽和3員環化合物の新規な反応性の開拓を目的とし、ケイ素のみからなる不飽和3員環化合物シクロトリシレン及びケイ素/ゲルマニウム混合型不飽和3員環化合物ジシラゲルミレンと高周期14族元素二価化学種との反応性を検討した。 安定なゲルマニウム2価化学種であるジクロロゲルミレン・ジオキサン錯体とケイ素=ケイ素二重結合を有する1-ジシラゲルミレンをTHF中において反応させると、ゲルマニウム=ゲルマニウム二重結合を有する不飽和4員環化合物が高収率で生成することを見出した。また、ケイ素=ゲルマニウム二重結合を有する2-ジシラゲルミレンとの反応においても同じ生成物を与えたことから、ジクロロゲルミレンのGe-Cl結合の高周期14族元素二重結合への酸化的付加をキーステップとして環拡大反応が進行し、置換基の転位を経て、熱力学的に最も安定な化合物を与えたと考えられる。また、ジシラゲルミレンとジクロロスタンニレン・ジオキサン錯体との反応ではゲルマニウム=スズ二重結合を含む不飽和4員環化合物を、ケイ素不飽和3員環化合物シクロトリシレンとジクロロゲルミレン・ジオキサン錯体との反応ではケイ素=ゲルマニウム二重結合を含む不飽和4員環化合物をそれぞれ与えることも分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Norihisa Fukaya: "Photochemical Generation of Chlorine-Substituted Digermenes and Their Rearrangement to Germylgermylenes"Chemistry Letters. 8. 802-803 (2002)
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[Publications] Masaaki Ichinohe: "Reaction of Bis[bis(trimethylsilyl)methyl]germylene with Tris(4-tert-butylphenyl)methylium Ion : Formation of a Unique Germyl Cation Weakly -Coordinated to Aromatic Group"Chemistry Letters. 10. 1054-1055 (2002)
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[Publications] Vladimir Ya.Lee: "Heavy Cyclopropenes of Si, Ge, and Sns A New Challenge in the Chemistry of Group 14 Elements"Chemical Reviews. (印刷中). (2003)
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[Publications] Akira Sekiguchi: "Cage Compounds of Heavier Group 14 Elements"John Wiley&Sons, Ltd.. 28 (2002)