2002 Fiscal Year Annual Research Report
含高配位典型元素複素三員環化合物の新規合成法の開発
Project/Area Number |
14044020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川島 隆幸 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011766)
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Keywords | Martinリガンド / 5配位セレナホスフィラン / X線結晶構造解析 / 複素三員環化合物 / オキサザホスファゲルモリジン / ヘキサメチルリン酸トリアミド / 三方両錐構造 |
Research Abstract |
1.Martinリガンドを有する5配位セレナホスフィラン{[-2-C_6H_4C(CF_3)_2O-]PhP(-CMe_2Se-)}の合成については、まず、環状フルオロホスホラン[-2-C_6H_4C(CF_3)_2O-]PhPFCHMe_2をエーテル中、CF_3SO_3Si(CH_3)_3と反応させ、対応するホスホニウムトリフラートを得た。このホスホニウム塩にTHF中、2,4,6-トリメチルフェニルリチウムを作用させ、対応するリンイリド[-2-C_6H_4C(CF_3)_2O-]PhP^+-C^-Me_2を調製した。これに、1.6当量の単体セレンを反応させることによって、目的の5配位セレナホスフィランの合成に成功した。X線結晶構造解析から酸素とセレン原子をアピカル位に持つ、かなり歪んだ三方両錐構造をとっていることが分かった。2.5配位オキサゲルミラニドの合成検討の過程で、Martinリガンドを有するヒドロゲルマン[-2-C_6H_4C(CF_3)_2O-]GePhHにヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)存在下、t-BuLiを反応させ、脱プロトンを試みたところ、HMPAを取り込んだ化合物が得られた。X線結晶構造解析から、この化合物はホスホリル基の酸素とゲルマニウム間に強い相互作用を持つ、5配位1,3,2,5-オキサザホスファゲルモリジン{[-2-C_6H_4C(CF_3)_2O-]PhGe[-CH_2NMeP(NMe_2)_2O-]}構造をとっていることが分かった。この反応において、LiCH_2NMePO(NMe_2)_2の介在が別途明らかにされている。従って、これを用いた反応は、Lewis酸性の高い部位を分子内に有する系に拡張可能であると考えられので、新規な複素環化合物の合成法として興味深い。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Sase: "Synthesis and Structure of the First 1,2σ^5-Selenaphosphirane"J. Am. Chem. Soc.. 124. 9706-9707 (2002)
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[Publications] N.Kano: "Synthesis and Crystal Structure of a Novel Heterocyclic Compound Bearing a Pentacoordinate Germanium Atom and a Deprotonated HMPA Moiety"J. Oranomet. Chem.. 22. 1152-1155 (2003)