2002 Fiscal Year Annual Research Report
窒素原子新導入法による含窒素環状化合物の効率的製造法の開発
Project/Area Number |
14044040
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
融 健 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00163957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 修一 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (20335087)
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Keywords | イミダゾリン / HMDS / 製造法 / 無溶媒 / マイクロ波 / フタロシアニン / 色素 / 環境 |
Research Abstract |
本研究では、安価なヘキサメチルジシラザン(HMDS)を用いて、有用な含窒素複素環化合物の工業的製法にも適合し得る合成法を開発する。本年度はイミダゾリン化合物のone-pot合成とフタロシアニン骨格の簡便な合成法を確立した。 イミダゾリン化合物は生理活性物質として、また、不斉配位子となるジアミノ化合物の前駆体として有用である。イミダゾリンからイミダゾールヘの変換反応も知られている。本研究では、HMDSを用いて、無溶媒、無触媒という環境にやさしい条件下で、アルデヒドから途中生成するジイミン化合物を単離することなく、イミダゾリン環のone-pot合成法を確立した。通常の加熱下では120℃、約6時間でシス-イミダゾリン化合物を高収率で与える。この反応をマイクロ波照射下で検討したところ、アルデヒドとHMDSをアルミナとともに5分間照射し、ジイミン化合物に変換後、塩基を加えて数分照射すると環化が起こり、シス-イミダゾリンあるいはトランス-イミダゾリンを選択的に得ることができることがわかった。 フタロシアニンは古くから高級顔料として用いられ、近年、安定な機能性色素としての発展が大いに注目されている。本研究ではHMDSを環化促進作用と同時に窒素導入試薬として利用するフタロシアニン骨格の新しい合成法の開発を目指している。本年度はフタルイミドとHMDSをp-TsOHのような酸を存在させて少量のDMFと150℃に加熱すると各種金属フタロシアニンとフタロシアニン誘導体(Pcn)が良好な収率で生成することを見出した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Uchida, H.Tanaka, H.Yoshiyama, P.Y.Reddy, S.Nakamura, T.Toru: "Novel synthesis of phthalocyanines from phthalonitriles under mild conditions"Synlett. No.10. 1649-1652 (2002)
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[Publications] H.Uchida, T.Shimizu, P.Y.Reddy, S.Nakamura, T.Toru: "Solvent-Free Efficient Synthesis of 2,4,5-Triarylimidazolines from Aromatic aldehydes and Hexamethyldisilazane"Synthesis. (印刷中). (2003)