2003 Fiscal Year Annual Research Report
ジシランを軸とするプロペラ型環状化合物およびその誘導体の化学
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14044047
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
年光 昭夫 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (60127107)
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Keywords | ジシラン / プロペラン / ハロゲン切断 / ジゲルマン |
Research Abstract |
1,6-ジゲルマ[4.4.4]プロペランの合成.四塩化ゲルマニウムを出発原料として,フェニルグリニヤ・ル反応剤を用いるカップリング反応,引き続く脱フェニルトリフラート化とビスグリニヤール反応剤との反応による三つのメチレン鎖の段階的導入により,通し収率4%で合成した. 1,6-ジゲルマ[4.4.4]プロペランの光物性.3-メチルペンタン中のUVスペクトル測定により,220nm付近に肩状の吸収を観測した.さらに,磁気円二色性スペクトルにおいて負のコットン効果が見られ,214nmに吸収極大を持つことが明らかになった.これは,環構造を有していないヘキサエチルジゲルマンと比較して,12nm長波長側にシフトしている. 1,6-ジゲルマ[4.4.4]プロペランおよびその誘導体の反応.ジゲルマプロペランと種々のハロゲン化剤との反応により,対応するビスハロゲルマンを良好な収率で合成した.ビスフルオロゲルマンについては,ジゲルマプロペランとフッ素化剤との反応では合成できなかったので,ビスブロモゲルマンとフッ化銀との反応により合成した.ビスブロモゲルマンのリチウムによる還元的カップリング反応では,分子内でゲルマニウム-ゲルマニウム結合が再生し,ジゲルマプロペランが高収率で生成した.また,ビスブロモゲルマンとメチルリチウムとの反応ではゲルマニウム原子上で求核置換反応が進行し,ビスメチルゲルマンが高収率で生成したのに対し,t-ブチルリチウムとの反応では,トリシクロ骨格を有し,さらにグルマニウム原子上にt-ブチル基が導入された化合物が生成した、後者の反応は,ゲルマニウムのα-位のプロトンが引き抜かれ,続いて渡環炭素-ゲルマニウム結合生成反応が進行したものと推定した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Tsuji, M.Terada, A.Toshimitsu, K.Tamao: "σσ^* Transition in anti, cisoid Alternating Oligosilanes : Clear-Cut Evidence for suppression of Conjugation Effect by a cisoid Turn"J.Am.Chem.Soc.. 125. 7486-7487 (2003)
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[Publications] T.Saeki, A.Toshimitsu, K.Tamao: "Generation of Intramolecular Sulfur- or Selenium-Coordinated Silylenes by the Thermolysis of Pentacoordinate Disilanes"Organometallics. 22. 3299-3303 (2003)
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[Publications] T.Saeki, A.Toshimitsu, K Tamao: "Thermolysis of bis(pentacoordinate) Silicon Compound bearing two 1-Fluorodisilanyl units at 4-,8-Positions on 1,5-Bis(dimenylamino) naphthalene"J.Organomet.Chem.. 686. 215-222 (2003)