2002 Fiscal Year Annual Research Report
氷化高圧法を用いたヘテロ元素を含む環状化合物の新規合成法の開発
Project/Area Number |
14044101
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
林 雄二郎 東京理科大学, 工学部, 助教授 (00198863)
|
Keywords | 氷化高圧 / バイリス-ヒルマン反応 / 不斉触媒反応 / アルドール反応 / 高圧反応 |
Research Abstract |
水は氷になる際に体積が一割膨張し、変形しない容器中で水を凍らせると内圧が-20℃で2千気圧に達することが知られている。そこで、水を媒体に用い、水が氷になる際の高圧(以下氷化高圧と呼ぶ)を用いれば、安価で、かつ簡便に高圧を実現でき、多くの有機合成反応に適用することができるものと考え、検討を行った。 1)バイリス-ヒルマン反応 バイリス-ヒルマン反応は3級アミンを触媒とする、電子不足オレフィンとアルデヒドとの縮合反応であり、生成物は有機合成中間体として重要な化合物である。しかしバイリス-ヒルマン反応は反応の進行が遅く、収率は必ずしも満足できるものではない。そこでバイリス-ヒルマン反応に氷化高圧法を適用した。アクリル酸メチルとベンズアルデヒドとの反応において常圧下室温では収率は40%であったが、氷化高圧下では78%に向上した。なお、本反応は種々の芳香族アルデヒドに適用可能である。 2)不斉触媒アルドール反応 Barbas, List等はプロリンを触媒とするアセトンとアルデヒドとの不斉触媒アルドール反応を報告しているが、不斉収率は必ずしも満足できるものではない。今回、p-ブロモベンズアルデヒドとアセトンとの反応に氷化高圧法を適用したところ、室温、常圧に比べ、化学収率、光学収率ともに向上することを見い出した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Y.Hayashi, K.Okada, I.Ashimine, M.Shoji: "The Baylis-Hillman Reaction under High Pressure Induced by Water-Freezing"Tetrahedron Letters. 43. 8683 (2002)
-
[Publications] Y.Hayashi, M.Nakamura, S.Nakao, T.Inoue, M.Shoji: "The HfCl_4-Mediated Diels-Alder Reaction of Furan"Angew.Chem.Int.Ed.Engl.. 41. 4079 (2002)
-
[Publications] Y.Hayashi, K.Nishimura: "Application of High Pressure Induced by Water-freezing to the Michael Reaction of Alcohols with α,β-Enoes"Chem.Lett.. 296 (2002)
-
[Publications] M.Shoji, J.Yamaguchi, H.Kakeya, H.Osuda, Y.Hayashi: "Total Synthesis of (+)-Epoxyquinols A and B"Angew.Chem.Int.Ed.Engl.. 41. 3192 (2002)