2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規アルカロイド合成戦略に向けた不斉アザ電子環状反応の開拓
Project/Area Number |
14044107
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
勝村 成雄 関西学院大学, 理工学部, 教授 (70047364)
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Keywords | 素早いアザ電子環状反応 / 不斉アザ電子環状反応 / キラル多置換ピペリジン / キラルなアミノインダノール誘導体 / 不斉転写基 / 光学活性インドールアルカロイド合成 / 高立体選択性 / 光学活性エピウレイン |
Research Abstract |
我々はすでに、4位に電子求引基を持ち6位にオレフィンを有するトリエナール化合物と1級アミンから得られる1-アザトリエンが、非常に速やかなアザ電子環状反応を起こすことを見出している。そこで次に、キラルな多置換ピペリジン天然物を合成するための一般的方法の開発を目指し、キラルアミンを用いた不斉アザ電子環状反応を検討した。その結果、新規な7-アルキル-cis-アミノ-2-インダノール誘導体が、不斉転写基および窒素官能基供給体の役割を併せ持ち、高いジアステレオ選択性を示すことを見出した。そこで、これら新規な光学活性アルキルアミノインダノール誘導体の、独自の大量合成法を検討した結果、サレンマンガン錯体による不斉エポキシ化、続くRitter反応を鍵とした効率的合成法を確立することができた。 さらに、インドールアルカロイドの合成を目指した基礎的な検討として、インドールの2位および3位にアザトリエン部を結合させたアザトリエナールの系について、不斉アザ電子環状反応の立体選択性を検討した。その結果、cis-アミノ-2-インダノール誘導体と別途合成した3または4置換トリエナールを混ぜるだけで、インドール環を有した3または4置換ピペリジン誘導体が、高い立体選択性で得られることを見いだした。次いで、このような不斉アザ電子環状反応の結果を基にして、インドールアルカロイドであるエピウレインの高立体選択的な不斉形式合成を達成した。このように、本年度の研究予定を、ほぼ完了することができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tanaka, K., Katsumura, S.*: "J-Iighly Stereoselective Asymmetric 6π-Azaelctrocyclization Utilizing the Novel 7-AIkvI Substituted cis-l -Amino-2-indanols: Formal Synthesis of 20-Epiuleine"Journal of the American Chemistry Society. 124. 9660-9661 (2002)
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[Publications] Furuichi, N., Katsumura, S.* et al.: "Highly Efficient Stereocontrolled Total Synthesis of the Polyfunctional Carotenoid Peridinin"Angewandte Chemie, International Edition. 41. 1023-1026 (2002)
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[Publications] Hakogi, T., Kalsuinura, S.* et al.: "Synthesis of Sphingomyelin Carbon Analogues as Sphingomyelinase Inhibitors"The Journal of Organic Chemistry. 67. 4839-4846 (2002)
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[Publications] Hakogi, T., Shigenari, T., Katsumura, S.*, Igarashi, Y., et al.: "Synthesis of Fluorescence-Labeled Sphingosine and Sphingosine l-Phosphate; Effective tools for Sphingosine and Sphingosine 1-Phosphate Behavior"Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 13(in press). (2003)