2002 Fiscal Year Annual Research Report
四次構造エンジニアリングによる人工サブユニットの開発
Project/Area Number |
14045217
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
早出 広司 東京農工大学, 工学部, 教授 (10187883)
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Keywords | 酵素反応 / 触媒・化学プロセス / 生体材料 / ナノバイオ / 蛋白質 / ランダムペプチドライブラリ / ファージディスプレイ / 基質特異性 |
Research Abstract |
本研究では、全く新しい蛋白質機能の制御技術として四次構造エンジニアリングによる人工サブユニット構築を提案した。すなわち、新たに強相関インターフェイスを目的蛋白質に導入し、非共有結合によりde novo合成されたペプチドあるいは既存の蛋白質とのあいだに複合体を形成させることにより新機能を有する強相関ソフトマテリアルの構築をめざした。本研究ではグルコース酸化還元酵素群を対象とし、酵素活性を制御する人工サブユニットを四次構造エンジニアリングにより構築することを目的とした。本年度は、1)15merファージディスプレイランダムペプチドライブラリーからのbio panningによる酵素機能制御能力を有するペプチドリガンドのスクリーニング、および2)in silico panningによるペプチドリガンドの検索方法の確立をめざした。 1)酵素の特性を制御する人工サブユニットを構築するために、15merのランダム配列を有するライブラリーを用いることにより、一定の高次構造を有し、かつグルコース脱水素酵素の活性を制御するペプチドの検索を試みた。その結果、Ca存在下で観察される同酵素の失活抑制効果を有する15merペプチドが検索された。本ペプチドのCDスペクトル観察から一定の二次構造を形成していた。 2)本研究ではin silico panningという方法を提案した。本方法では、バーチャルなペプチドのライブラリーを構築し、これをターゲットとする蛋白質に対して蛋白質〜ペプチド相互作用解析を行い、計算される結合エネルギーを指標に候補となるペプチドを選定し、さらに選定された集団に対して、遺伝的アルゴリズムに基づき一定の組み合わせならびに変異を導入することにより、新たなバーチャルなペプチドライブラリを構築する操作を繰り返す。本方法により、同酵素の阻害活性を有するペプチドリガンドが得られた
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[Publications] H.Yoshida, Y.Yagi, K.Ikebukuro, K.Sode: "Improvement of Substrate Specificity of Water Soluble Pyrroloquinoline Quinone Glucose Dehydrogenase by Peptide Ligand"Biotechnol.Lett.. (in press).