2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14045223
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
菅 耕作 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (90016642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋葉 宇一 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (60184107)
藤平 正道 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (40013536)
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Keywords | 疎水性相互作用 / 原子間力顕微鏡 / 自己組織化単分子膜 / 付着力測定 / 付着力分布 / チオール分子 |
Research Abstract |
本特定領域研究『強相関ソフトマテリアルの動的制御』のA01班は、水和のエントロピーに由来するとされる疎水性相互作用について、その実態や分子的機構をナノレベルで明らかにすることが目標とされており、原子間力顕微鏡を用いた水中における付着力の測定を行ってきた我々のグループのこれまでの研究の蓄積が、本特定領域研究の進展に大いに役立つことが期待される。 そこで本研究では、特に、疎水性相互作用力に的を絞り、1)従来法の飛躍的改良による力の精密測定、2)関連する他の新奇な測定との組み合わせ、及び3)分子動力学シミュレーションを主体にした計算化学的手法により、疎水性相互作用力の分子論的解明を目指している。 今年度の研究では、パルスフォースモード原子間力顕微鏡(PFM-AFM)を用いて、自己組織化単分子膜表面と疎水化処理したAFM探針間に働く付着力の精密測定を目標とした。水中におけるこのような付着力の精密測定は、表面とAFM短針間に働く疎水性相互作用力の大きさを精密に測定することであり、表面の化学組成と疎水性相互作用力の関係を明らかにする上で非常に重要である。付着力の精密測定を行うためには、付着力測定の分解能を向上させる必要があるが、そのためには付着力の測定値に影響するその他の要囚を明らかにすることが必要である。今年度は、特に金基板上のチオール分子とAFM探針間に働く付着力に及ぼす表面形状の影響を実験的に検討し、表面が原子レベルで平坦な場合には、非常にシャープな付着力分布が得られるのに対し、表面がAFM探針の先端の曲率半径に近い曲率半径を持った凹凸が存在する場合、その曲率半径とその分布に応じて、付着力の平均値の変動や、広い付着力分布が生じることを見いだした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 菅 耕作, 藤平正道, 秋葉宇一: "A study of topographic effects on chemical force microscopy using adhesive force mapping"Ultramicroscopy. (in press). (2003)
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[Publications] 藤平 正道: "Imaging stretched single DNA molecules by pulsed-force-mode atomic force microscopy"Ultramicroscopy. (in press). (2003)