2002 Fiscal Year Annual Research Report
高分子多成分系における融体中の相分離と結晶化によるミクロ多相構造の形成と制御
Project/Area Number |
14045228
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
塩見 友雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10134967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 宏樹 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (80313568)
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Keywords | 結晶化 / ミクロ相分離 / 結晶性-非晶性ブロック共重合体 / 高次構造 / 時分割小角X線散乱 / ポリエチレン-block-ポリスチレン / ポリエチレングリコール-block-ポリブタジエン |
Research Abstract |
結晶性-非晶性ブロック共重合体の結晶化において、融体中のミクロ相分離構造を維持したまま結晶化しミクロ相構造内で結晶化するなら、そのミクロ相構造をテンプレートとして、結晶相をナノスケールで規則的に配置することが可能である。その条件を明らかにすることを目的とし、以下の2種類のブロック共重合体について、結晶化時におけるミクロ相構造の維持・破壊を、放射光を線源とする時分割小角X線散乱により検討した。(1)非晶性成分がガラス状態において結晶性成分を結晶化させ得る系である、ポリエチレン-ポリスチレンブロック共重合体(PE-PS)において、ラメラ状およびPEシリンダー状ミクロ構造からの結晶化において、完全にミクロ相構造を維持して結晶化した。しかし、PSホモポリマーをブレンドし、PEがシリンダー内に閉じこめられた場合は、結晶化が認められなかった。これは、リジッドな孤立したミクロドメインからの結晶化は非常に困難であることを示している。 (2)非晶性成分がゴム状において結晶化させる場合として、ポリエチレングリコール-ポリブタジエンブロック共重合体(PEG-PBd)およびそのブレンドを用いて、検討した。その結果、結晶化における維持・破壊は、分子量すなわちミクロ相分離の偏斥のみならず、ミクロ相分離の構造や結晶化温度に依存した。このことはミクロ相分離構造下からの結晶化における構造形成において、キネティクスも重要な因子であることを示唆している。
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[Publications] 塩見友雄, 竹下宏樹: "ブロック共重合体の結晶化挙動と高次構造形成"高分子. 51. 745-749 (2002)
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[Publications] T.Shiomi, H.Takeshita, H.Kawaguchi, M.Nagai, K.Takenaka, M.Miya: "Crystallization and structure formation of block copolymers containing a rubbery amorphous component"Macromolecules. 35. 8056-8065 (2002)