2002 Fiscal Year Annual Research Report
分子間相互作用と高分子のダイナミックスのカップリング
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14045242
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
水谷 義 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40229696)
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| Keywords | 人工レセプター / ポリエチレンオキシド / 疎水相互作用 / アルキル鎖 |
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| Research Abstract |
最近、われわれは、タンパク質の機能を超えるような人工レセプター分子の開発に取り組んでいる。これまでの研究で、カルボキシレート基を多数表面にもつ分子は、生理活性を有する疎水カチオンやオリゴペプチドを特異的に認識し取り込むことを報告してきた。この人工レセプターでは、静電相互作用と疎水相互作用の協同的作用によって、レセプターの初期コンフォーメーションを不安定化し、そのことにより高い親和性が発現するものであるというメカニズムを提唱している。
本研究では、人工レセプターに親水性を与える補助基としてアニオン性のカルボキシレート基ではなく中性のポリエチレンオキシドを導入した人工レセプターを合成し、親水性補助基の違いによる分子認識機能への効果を検討したので報告する。
ポルフィリン亜鉛錯体にポリエチレンオキシドを導入した水溶性レセプター1-4を合成した。これらの人工レセプターのアルキルピリジンに対する水溶液中における結合定数を紫外可視分光法により求めた。レセプター1は、4-アルキルピリジンのアルキル鎖長がのびるとともに、結合の自由エネルギーが直線的に増大し、1つのメチレンあたりの自由エネルギー増は3.5kJ mol^<-1>となった。この値は、ポリエチレンオキシドを導入したほかの人工レセプター2-4の0.5-2.2kJ mol^<-1>や、カルボキシレート基をもつレセプターの示す1.5kJ mol^<-1>よりも大きい値となった。この値は、アルカン類の有機溶媒から水への相間移動の自由エネルギー変化3.2kJ mol^<-1>と同等であり、理想的な疎水相互作用が発現していると結論した。
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[Publications] Mizutani, T., Wada, K., Kitagawa, S.: "Hydrophobic Environment of Gable-type Bisporphyrin Receptors in Water Promotes Binding of Amines and Oligopetides"Chem. Commun.. 15. 1626-1627 (2002)
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[Publications] Uemura, K., Mizutani, T.他5名: "Novel Flexible Frameworks of Porous Cobalt(II) Coordination Polymers That Show Selective Guest Adsorption Based on the Switching of Hydrogen-Bond Pairs of Amide Groups"Chem. Eur. J.. 8・16. 3586-3600 (2002)
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[Publications] Kurahashi, T., Mizutani, T., Yoshida, J.: "Functionalized DMAP catalysts for regioselective acetylation of carbohydrates"Tetrahedron. 58・43. 8669-8677 (2002)
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[Publications] Wada, K., Mizutani, T., Matsuoka, H., Kitagawa, S.: "A New Strategy for the Design of Water-soluble Synthetic Receptors : Specific Recognition of DNA Intercalators and Diamines"Chem. Eur. J.. 9(印刷中). (2003)
