2002 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
14045257
|
|---|
| Research Institution | Kyushu University |
|---|
Principal Investigator |
竹内 正之 九州大学, 工学研究院, 助手 (70264083)
|
|---|
| Keywords | アロステリズム / 非線形応答 / 超分子 / 水素結合 / 集合体 |
|---|
| Research Abstract |
本研究では、動的認識挙動を示す水素結合性認識空間を有する化合物を設計・合成し、分子の認識、集合状態の変化に伴いその物性を変化させるシステムを構築することが目的である.また構造・物性が変化することを利用して、センシングデバイスへの応用も同時に目指す。特に、本年度は一酸化窒素(NO)あるいはフッ素イオンなどの極小分子種をターゲットとした高感度・高選択的認識素子への展開を目的とする。上記の小分子に対する認識部位の設計、つまりサイズ選択性を考慮した水素結合性の微小認識空間をもつホスト分子を合成し、協同的かつ動的に認識部位構造を変換することにより高選択性の獲得を日指す。水素結合性認識空間を持つホスト分子がゲスト分子の認識に伴い物性あるいは構造が変化するように分子設計を行った。具体的には、分子設計の段階で以下のことを十分加味する必要があると考えた。(1)ゲスト分子の認識に伴い構造の変化あるいは物性の変化が起こること、(2)目的ゲストへの高選択性、(3)リアルタイム測定への展開を加味し、適度な錯形成定数(高すぎると解離過程が遅くなりリアルタイム測定には不向き)、(4)認識によってホストが異なる分子へと変換あるいは反応しないこと(可逆性の獲得)、(5)蛍光あるいは電気化学的に物性の変化あるいは構造の変化を検出できること、(6)ポリマーへと展開できること。以上の事を加味し水素結合性微小空間を上下にもつキャップ型ポルフィリンを基体として用いて検討を加えた。得られた化合物に対して一酸化窒素(NO)あるいはフッ化物イオンを加えて、構造あるいは物性がどのように変化するかを、UV-Vis、蛍光分光法および電気化学的に評価した結果、フッ化物イオンに対して選択性を有することを明らかにできた。
|
-
[Publications] Y.Kubo et al.: "Cooperative C_<60> Binding to a Porphyrin Tetramer Arranged around a p-Terphenyl Axis in 1:2 Host-Guest Stoichiometry"Organic Letters. 4. 925 (2002)
-
[Publications] M.Ayabe et al.: "A Dendritic Porphyrin Receptor for C_<60> Which Features a Profound Positive Allosteric Effect"Angewndte Chemie international Editiom. 41. 2790 (2002)
-
[Publications] M.Yamamoto et al.: "Oligosaccharide binding to a boronic-acid-appended phenanthroline-Cu(I) complex which creates superstructural helicates and catenates"Tetrahedron. 58. 7258 (2002)
-
[Publications] M.Ikeda et al.: "Allosteric Binding of Ag^+ Ion to Cerium(IV) Bis(pophyrinate)s Enhances the Rotational Activity of Porphyrin Ligands"Chemistry A European Journal. 8. 5541 (2002)
-
[Publications] 池田 将: "分子機械を利用した非線形応答化学システムの構築"有機合成化学協会誌. 60. 1201 (2002)
