2002 Fiscal Year Annual Research Report
水素結合性相互作用を組み込んだ燃料電池用高分子電解質膜の合成
Project/Area Number |
14045265
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
陸川 政弘 上智大学, 理工学部, 助教授 (10245798)
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Keywords | 水素結合 / 有機酸 / プロトン / フラーレン / ナフィオン / 燃料電池 / クラスター / スルホン化 |
Research Abstract |
1.有機酸を水素結合的に凝集させた高分子電解質膜の合成 本系は塩基性高分子に有機酸や無機酸を効果的に吸着させ、その酸分子をプロトン移動の媒体として用いる電解質材料である。水分子以外の材料をイオン伝導媒体として用いるために、高分子電解質膜を加湿することなく高いプロトン伝導性が得られ、その結果高温作動の高分子電解質形燃料電池の開発が可能になる。今年度は、主に有機酸としてフラーレンを基礎骨格に用いた3つの固体酸(フラレノール、スルホン化フラーレン、アルキルスルホン化フラーレン)を合成した。フラレノール、アルキルスルホン化フラーレンの120℃における導電率は、それぞれ9.06×10^<-6>Scm^<-1>、1.66×10^<-5>Scm^<-1>であり、無水状態でプロトン伝導性があることが分かった。さらに、これらの有機酸と塩基性高分子ポリベンゾイミダゾール、酸性高分子ナフィオンとの複合体を合成した。ポリベンゾイミダゾールとの複合化では、強固な酸塩基複合体を形成するために、応用に適した電解質膜を得ることができなかった。一方、ナフィオンとの複合体は、有機酸の極性基に依存し、より酸性の高いスルホン化フラーレンが最もよく複合化することが分かった。 2.ミクロドメイン構造の構築 本研究で開発した炭化水素系高分子電解質材料は、ナフィオンのようなフッ素樹脂系電解質に見られる明瞭な親水疎水構造を持たないために、高いプロトン伝導性を発現するイオンクラスター構造を形成する可能性が低い。この問題を解決するために親水疎水のブロック共重合体構造を有する炭化水素系高分子電解質を合成した。これにより、水を効果的に吸収し、高いプロトン伝導性を有する新規材料が得られた。
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[Publications] J.M.Bae: "Properties of selected sulfonated polymers as proton-conducting electrolytes for polymer electrolyte fuel cells"Solid State Ionics. 147. 189-194 (2002)
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[Publications] S.Kano: "Synthesis of novel organic-inorganic self-organized compound containing quaternary ammonium ions and its structural characterization"Molecular Crystals and Liquid Crystals. 376. 83-88 (2002)
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[Publications] M.Kawahara: "Crystal structure and optical properties of C_<10>H_<10>N_2PbBr_4 and C_<10> H_<22>N_2PbBr_4"Molecular Crystals and Liquid Crystals. 376. 77-82 (2002)
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[Publications] T.Matsui: "Novel organic-inorganic hybrid compounds containing alkyldiammonium salts"Molecular Crystals and Liquid Crystals. 376. 89-94 (2002)
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[Publications] T.Matsui: "Fabrication of two-dimensional layered perovskite [NH_3(CH_2)_<12>NH_3]PbX_4 thin films using a self-assembly_method"Chemical Communications. 1094-1095 (2002)
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[Publications] Y.Takeoka: "Preparation of organic-inorganic hybridized materials using photopolymerization"Molecular Crystals and Liquid Crystals. 379. 383-388 (2002)