Bファクトリーを用いた質量起源の探求

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14046101
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 相原 博昭 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60167773)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 阿部 昌子 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (70345172) ; 幅 淳二 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (60180923)
• Keywords: CP非保存 / 標準理論 / 素粒子 / B中間子 / 加速器 / 半導体検出器 / 対称性 / 超対称性

Research Abstract

平成14年度は、予定どおり大面積シリコントラッカーの製作を完了し、第2世代崩壊位置検出器を完成した。宇宙線を使った試験も順調に進み、この検出器は平成15年7月に、Bファクトリーのビームラインに設置される。また、Bファクトリービームからのバックグランド(主にガンマ線)に対する対策も進めた。物理の解析においては、CP非保存パラメータ、B中間子の寿命、B中間子-反B中間子混合パラメータの精密測定を進め、すべて学術雑誌に論文発表した。
また、超対称性の効果に高い感度を持つ、bクォークがsクォークと2つのミューオンに崩壊する反応の世界初の検出に成功した。さらに統計精度の高い測定にとりかかった。
物理の解析においては、CP非保存パラメータ、B中間子の寿命、B中間子-反B中間子混合パラメータの精密測定を進め、すべて学術雑誌に論文発表した。特に、CP非保存パラメータについては、従来のファイ(1)角の測定精度を向上させると同時に、もうひとつの重要なパラメータであるファイ(2)角の測定を行い論文に発表した。このファイ(2)角の測定から、B中間子におけるCP非保存のあらたな証拠をみつけた。さらに、bクォークが、sクォーク、反sクォークとdクォークに崩壊する反応におきては、標準理論とは異なるCP非保存を示唆する測定結果もでてきており、今後の展開が期待される。また、超対称性の効果に高い感度を持つ、bクォークがsクォークと2つのミューオンに崩壊する反応の世界初の検出に成功し、ひきつづき統計精度の高い測定をめざしてデータをためている。

Research Products

• [Publications] K.Abe et al.: "Improved Measurement of Mixing-induced CP Violation in the Neutral B Meson System"Physical Review D. 6. 071102(R) (2002)
• [Publications] K.Abe et al.: "Study of CP-Violating Asymmetries in BO to pi+pi-Decays"Physical Review Letters. 89. 071801 (2002)
• [Publications] T.Tomura et al.: "Measurement of the Oscillation Frequency for BO-BObar Mixing using Hadronic BO Decays"Physics Letters B. 542. 207 (2002)
• [Publications] K.Abe et al.: "Study of Time-Dependent CP-Violating Asymmetries in b to s qbar q Decays"Physical Review D. 67. 031102(R) (2003)
• [Publications] J.Kaneko et al.: "Measurement of the Electroweak Penguin Process B to Xs 11"Physical Review Letters. 90. 021801 (2003)